生前整理の進め方は?整理するメリットや失敗しないポイントお役立ちコラム

作業風景

生前整理の進め方で悩む方は多いようです。
わからないから何もしないままだと、自分が亡くなった後で家族や親族が大きな負担を背負います。
今回は生前整理の進め方を中心に、大きく2つのテーマにわけて解説します。

・メリットとデメリット
・失敗しないためのポイント

この記事を監修した人

監修者
小西 清香氏
整理収納アドバイザー

元汚部屋出身の整理収納アドバイザー。夫の身内6人の看取りや介護をし、生前整理の大切さを痛感。
また看護師時代ICUに勤務し、人の最期もたくさん見てきました。
そんな経験を元に元気なうちから生前整理を!という思いで、片付けと合わせてお伝えしています。

生前整理とは?

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生前整理とは、自分で身の回りの物や財産を整理することです。具体的には、不用品の処分や不動産の売却、遺書の作成などを指します。
 
不要な物を処分したり、誰かに譲渡したりして、手元に残しておきたい物を明確にする作業です。
生前整理の関心が高まるにつれて、遺品整理を専門に行う業者や不用品回収業者でも生前整理をサポートしてくれる会社が増加しています。
 
生前整理は人生の終末を見据えて行う意味合いが強いため後ろ向きな作業に捉えられがちですが、そうではありません。生前整理は、今後の生き方を見つめ直せる機会でもあり、本当に必要な物に囲まれた人生を過ごせる、とても前向きな作業です。
 
 
●「遺品整理」との違い
生前整理に似た「遺品整理」という言葉を耳にしたことはありませんか。それぞれに意味が異なるので簡単に解説しておきます。
 

①生前整理

生前整理は、元気なうちに自分で身の回りの物や財産を整理することです。早い方では20代や30代から始める人もおり、結婚や退職など人生の節目をきっかけに始めることが多いようです。
 

②遺品整理

遺品整理は、自分が亡くなった後に家族が身の回りの物や財産を整理することです。

生前整理をするメリット

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生前整理を行う一番の目的は、残された家族が困らないようにすることです。それだけではなく、自分が本当に必要な物を見つめ直すことができ、穏やかな余生を過ごせます。
持ち物を整理するのは面倒かもしれませんが、生前整理をして得られるメリットも多く、早めに取り掛かればゆとりをもって準備できます。
具体的にどのようなのようなメリットがあるかを紹介します。
 

①財産を把握できる

生前整理の際に所持している財産を目録にしておくと、自分がどれくらいの財産を保有しているのか確認できます。正確な財産がわかるだけではなく、死後に遺族が財産調査をしなくて済むのは非常に大きなメリットといえます。通帳残高や有価証券、不動産、自動車など、亡くなった人の財産を調べるには時間と手間がかかるので、遺族に負担をかけないためにも財産目録を作成しておきましょう
 

②遺族の負担を減らせる

健康なうちに自分で必要な物と不要な物に仕分けておくと、遺族が遺品の整理に費やす身体的、金銭的な負担を軽減できます。
 
一般的に人が亡くなれば、遺族は葬儀や役所への届け出・手続きなどに追われます。故人が物を多く所持していれば、遺族は遺品整理に多大な時間と労力がかかる他、処分費用にも大きな負担がのしかかります。遺族の負担を減らすためにもできるだけ不要な物は早めに整理しておくのがベストです。
 
参照:法務省『死亡届』
 

③遺族間の相続トラブルを回避できる

財産をきちんと把握して遺言書に遺産分配を明記しておけば、遺族間の相続トラブルは回避できます。
 

④身辺整理ができる

生前整理で不要な物を整理しておけば、物理的にも、精神的にもゆとりが生まれます。同時に、家族への心配事や生活上のストレスも減少し、本当に必要な物に気づけます。
 
生前整理は、理想的な余生を送るためにも大切な作業です。
 

⑤死後の希望を伝えられる

葬儀やお墓のこと、遺産の相続などについて遺言書やエンディングノートに明記しておくと、亡くなった後でも自分の希望や考えがとおりやすくなります。
また、家族や親族、友人に日頃は口に出しにくい感謝の気持ちを伝えられるのもメリットです。
 
身の周りの整理を済ませておけば、不測の事態が起こった場合も家族の負担は大きく軽減されます。生前整理は不要な物を捨てるというよりも大切な物を残す要素が強く、家族のことを念頭に置いて取り組む作業です。

生前整理をするデメリット

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メリットがあればデメリットも存在します。それなら無理に生前整理はしないと考える方もいらっしゃるでしょう。しかし、その場合は遺族が遺品整理を行う際にこのデメリットを背負うことになります。
生前整理に伴うデメリットとはどういうものなのでしょうか。
 

①お金がかかる

生前整理では多くの物を処分するため、どうしてもお金がかかります。自分で生前整理を行う場合は粗大ゴミの回収費用や家電のリサイクル代、ゴミ袋代がかかりますが、出費は抑えられます。さらに出費を抑えるなら一度にすべて整理せず、回数をわけて行うのがコツです。
 
不用品回収業者に依頼をすれば、運び出すのが大変な大型家具や家電のような重量のある物も素早く処分できますが、費用は高くなると心得ておきましょう。
 

②時間と労力がかかる

物を多く所有していると、整理をするのに時間と労力がかります。
特に粗大ゴミの処分は大変で、自治体によって回収方法が異なる場合があります。
費用を節約するには生前整理を数回にわけて行うと効果的です。1回にかかる労力や時間が抑えられ、ゆとりをもって整理できます。
 
*家電の正しい処分の仕方
参照:経済産業省『家電4品目の「正しい処分」早わかり!』|家電リサイクル法(特定家庭用機器再商品化法)

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生前前整理の進め方

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生前整理を進行うときに気をつけたいポイント必ずしておくことを紹介します。
 

生前整理で気をつけたい4つのポイント

 

①思い出に流されない

整理をしていると思い出が蘇り、手が止まりがちです。思い出が詰まっている物はできるだけ残しておきたいと思うかもしれませんが、亡くなった後に家族が処分に困るので本当に必要な物かよく考えることが大切です。
 

②処分に迷う物は後回しにする

すべての持ち物を残す物と処分する物にわけるのは難しいため、無理をしない範囲で整理するようにしましょう。迷う物は、遺書やエンディングノートに希望する処分方法を書き留めておくと家族も心の負担がかかりません。
 

③デジタル遺産の整理

デジタル遺産とは、パソコンやスマートフォンの中に保管している文章や写真、SNSのパスワード、仮想通貨、銀行口座の情報などを指します。総務省の調査によると、2021年の情報通信機器の世帯保有率は「モバイル媒体全体」で97.3%に上っています。
使用しないまま放置していると、悪用されてトラブルに発展する危険もあります。不要なデータは削除しておき、使用しているデジタル遺産の内容とパスワードをエンディングノートなどに記載しておけば、亡くなった後でも遺族が対応できるので、トラブルに遭う危険を回避できます。
 
参照:総務省『情報通信白書 令和4年版』
 

④必要な書類や貴重品はまとめて保管する

保険証書や印鑑、通帳、不動産の権利書などはまとめて保管しておくと、遺族がすぐに見つけられます。すべての貴重品を同じ場所に保管するのが不安であれば、家族にそれぞれの保管場所を伝えておくか、エンディングノートに書き留めておきましょう。
 

生前整理の進め方

 

①必要な物と不要な物にわける

まずは持ち物を整理します。一年以上使用していない物は不要な物に、二度と手に入らない物や思い出が詰まっている物はひとまず必要な物のカテゴリーに分類するなど、自分でルールを設定すると分別しやすくなります。
 

②銀行口座、カードを解約する

入出金をほとんどしていない口座やカードを残したままにしておくと遺族の手続き負担が増すため、解約しておきましょう。
 

③財産目録を作成する

財産とは現金や預貯金、不動産、車、骨董品などの他、借金や未払金も含まれます。これらを書き留めて整理しておくと、全体の金額や家族が相続するときにかかる費用の概算もわかります。誰が何をどれだけ相続するか明記しておきましょう。
 

④相続方法を決める

生きているうちに財産を贈る生前贈与の場合は一定額の税金が控除されるため、税金対策になります。一人当たり年間110万円以下の贈与であれば相続税はかかりません。生きているうちは年数をかけて行えるので、早ければ早いほど税金対策になります。
 
参照:国税庁『財産をもらったとき』
 

⑤遺言書、エンディングノートを作成する

遺産の分配で家族が揉め事を起こさないよう遺言書を作成したり、家族に伝えておきたいことをエンディングノートに書き留めたりしておくのは、とても大切なことです。
正式な遺言書は法的な効力を持つため、遺産の行方を自分の希望通りに決められます。エンディングノートは法的な効力なありませんが、万一の事態が起きた場合でも葬儀やお墓のことなどの希望を伝えられるので、家族が悩まずに済み負担がいくらか軽減されます。
 
参照:大阪法務局・大阪司法書士会『エンディングノート』

生前整理を始める時期は?

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生前整理はいつ始めても問題ありません。とはいえ労力や時間がかかるので、体力や気力、判断能力のあるうちに始めるのがベストです。ご自身の気持ちやタイミングも大きく関係すると思います。
例えば、定年退職や子育てが一段落したとき、親しい方が亡くなったり、災害を目の当たりにして死を身近に感じたりした場合など、”もしも”の備えとして生前整理を始める方もいらっしゃいます。
 

①20代・30代で始める方も

「生前」という言葉が人生の終末を見据えているため実感できない方も多いと思いますが、ミニマリストという言葉が広く浸透し始めているように、自身のライフスタイルに合わせて若い世代でも取り組む方が増えています。
 
20代・30代が生前整理を始めるきっかけ
・自分の生き方、未来を考える
・万が一の事故や病気に備えて、家族のために整理しておく
 

②40代・50代・60代は生前整理の意識世代

子育てが落ち着き、人生の過ごし方について考える機会が増える世代です。
それぞれに事情や生活環境は異なるため一概には言えませんが、年齢を重ねるにつれて整理する内容が世代別で明確になりやすいのがこの世代の特徴かもしれません。
 
40代・50代・60代が生前整理をはじめるきっかけ
・【40代】親の介護をきっかけに金銭面の整理を始める
・【50代】子どもが独立したタイミングで物の整理を始める
・【60代】定年退職によって時間に余裕ができ、身辺整理を始める
 
 
著者である私自身も40代半ば。親の介護をきっかけに生前整理を始めましたが、いかに不要な物に囲まれて生活しているかを実感しました。しかしながら、自分のペースで処分を進めていると、思い出を肴に楽しく整理していることに気づきました。あくまでも私自身が感じたことなのですべての人に当てはまるわけではありませんが、生前整理をとおして心にゆとりが生まれたように感じます。今後も整理を続けますので、その過程のお話も他のコラム内でご紹介できればと考えております。

まとめ

生前整理は残される家族の負担を軽減する目的がありますが、同時にご自身の人生を豊かにする作業であるとご理解いただけたのではないでしょうか。
生前整理はいつから始めても問題ありません。単なる片付けにならないようにすべきポイントをしっかりと押さえ、ご自身の気持ちやタイミングに合わせて進めましょう。

この記事を執筆した人

執筆者
株式会社プログレス
編集部 F・N
フリーライター時代に取材した遺品整理の仕事に興味を持ち、プログレスの編集メンバーに。
遺品整理やゴミ屋敷の問題や疑問、関心を先回りして発見し、問題提起するプログレスきってのリサーチャー。
身近に起きる不用品処分や遺品整理の悩みを記事でサポートするをモットーに、プログレス各種サイトのコラムを執筆中。

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