遺品整理は故人が残した愛用品を整理する作業です。
しかし、品物に情が湧いてしまったり処分すべきか迷ったりして、思うように整理が進まない方も多いのではないでしょうか。
残しておいたほうがいい遺品や捨ててはいけないものが分かっていれば、時間に余裕のない方でもスムーズに整理できますよね。
そこで今回は、遺品整理で残しておくものや、残す物を決める基準についてご紹介します。
整理で悩んでいる方は、このコラムを参考にしてください。
実際に遺品を整理していると、「これって残しておいたほうがいいのかな?」と迷うものが出てきますよね。
スムーズに遺品整理が進むように、残すべきものをリストアップしたので、整理の参考にしてください。
遺言書やエンディングノートは、生前に故人が意思を文章で明示した書類です。
遺品整理を始める前に、故人が遺言書やエンディングノートを残していないかを最初に確認しましょう。
遺品として残しておくべきものや親族に引き継いでもらいたいもの、遺品の処分方法などが書かれている可能性があります。
また、具体的に財産などの情報を把握できるため、整理の際に探さなければいけないものが分かります。
身分証明書や貴重品とは、具体的に下記のことです。
マイナンバーカード、健康保険証、年金手帳、免許証、
キャッシュカード、クレジットカード、
公共料金などの請求書や領収書
身分証明書や印鑑は、賃貸住宅など契約しているサービスや商品を解約するときにも必要です。
義務ではないものの、返納の必要があるものや、使わなくても年会費が発生するクレジットカードなど解約が必要になるものが該当します。
契約書や権利書は、故人の資産を示すための重要な書類です。
遺産の分配を正確に行うために欠かせないものなので、探して保管しておきましょう。
現金を処分する方はいないと思いますが、保管場所には注意しておきましょう。
本の間や床の間に飾っている額縁の裏に封筒に入れた紙幣が保管されているようなケースもあります。
捨ててしまうと後々困ることも多いため、どこの鍵かわからない場合でも必ず残しておくようにしましょう。
鍵屋に持っていけばどこの鍵か鑑定してもらえることもあるので、気になる場合は検討してみてはいかがでしょうか。
・貴金属・宝石・ジュエリー
・コレクション(切手・本・CD・DVDなど)
・家電類
・美術品、骨董品
・酒類(年代物のワインやブランデーなど)
・万年筆・タイピンなどの高価な日用品
価値がある品は形見分けや売却品などに利用できます。
・写真
・手記(手紙・日記)
・故人が手掛けた作品
・衣服
・トロフィー・勲章・賞状
故人との新しい思い出をこれから増やすことはできません。
だからこそ思い出が詰まった品を大切にし、これからの人生を共に歩んでいく必要があるのです。
思い出深い品に加え、故人様が残した功績を表す品や作品も残しておくと良いでしょう。
遺品整理で残すものと処分するものに悩む方は少なくありません。
残すものの基準を決めておけば、スムーズに整理できるのでおすすめです。
何を残して何を処分するかについて、遺品整理の前に親族で話し合って決めておきましょう。
残すものを決める基準の例を挙げてみます。
・処分するのに抵抗のあるもの
・再利用できるもの
・売却できるもの
・家に保管できるもの
もちろんこれ以外にも基準となるものはいくらでもあります。
だからこそ親族でしっかりと話し合っておくことが大切なのです。
基準を決めたら、いよいよ整理を始めます。
しかし、遺品は想定以上に多いため、決めた基準だけでは判断に迷うものが必ず出てきます。
そのような場合のために保留用の箱や袋を用意して入れておき、あとでどうするか話し合って決めると良いでしょう。
どうするか悩むものは、故人のことを思い出して決めましょう。
故人が残した直筆の手紙や写真は、一度処分してしまえばもう二度と手にできません。
一時の感情と判断に任せて処分せず、一時保管しておくことを強くおすすめします。
また、決めた基準に当てはまらなくても故人が大切にしていたものは残しておきましょう。
親族が集まるたびに思い出話をしてあげれば、故人もきっと喜んでくれるはずです。
遺品をもらう場合は、
・遺品の価値
・税金申告
・届け出
この3点に注意が必要です。
遺品の価値によっては、相続税や贈与税の申告が必要になります。
受け取った後に価値の高い品物だったと判明した場合、親族間でトラブルになる可能性も否定できません。
「そんなに高いものと知っていたら譲らなかった」「みんなで公平に分けるべきなので返してほしい」などと責められて気分を害したくないですよね。
遺品をもらうときは、どれくらいの価値があるかを把握してから受け取りましょう。
また、刀剣類や銃を遺品として受け取る場合は、届け出が必要なので忘れないようにしてください。
届け出せず所有していると銃刀法違反になるので、もし遺品整理で日本刀やモデルガンが出てくれば最寄りの警察署に速やかに届け出ましょう。
本人に悪気がなくても罪に問われるため要注意です。
過去には4日間自宅に保管していただけで、「所持」に該当するとして処罰を受けた裁判例もあります。
仕分け後に行われる形見分けは、故人の思い出が詰まった品を友人や知人など親しかった方に贈る行為です。
だからこそできるだけ多くの方に贈りたいと思うものですが、品物によっては贈られても置き場所に困るケースも考えられます。
遺品を譲る場合は、実用性が高いものを選ぶか、欲しいものを指定してもらうなど、受け取る側の気持ちを慮ることも大切です。
遺品整理では大量の不用品が発生します。
この場合はどのように処分すればいいのでしょうか。
再利用は難しい型落ちした家電や日用品などは不用品として処分する必要があります。
しかし、ゴミとして出す場合には自治体のルールに従って分別をし、決められた曜日に出さなければなりません。
さらに、一度に大量のゴミを出すと「一時多量ゴミ」扱いとなって回収を断られるケースも考えられます。
賃貸住宅の場合なら退去日、遠方から片付けに来ている場合には帰らなければいけない日程など、タイムリミットから逆算してゴミ出しを計画的に行うことが大切です。
もし間に合いそうにない場合は、遺品整理の専門業者や不用品回収業者の利用を検討しましょう。
まだ使えそうなものは、リサイクルショップやネットショップでの売却をおすすめします。
不用品を処分するにはお金がかかりますが、リサイクルショップやネットショップで売却すればお金が貰えます。
買取の値段がつかなくても無料で引き取ってもらえることがあるため、処分費用が浮きます。
故人が家族へ寄付するよう生前に伝えていたり、もしかすると遺書やエンディングノートに寄付について書き残していたりする場合もあります。
寄付を受け付けているNPO団体やNGO団体がありますので、社会貢献に興味があるならぜひ連絡してみましょう。
また、遺品そのものではなく、売却して得たお金を寄付しても良いでしょう。
前章では大量の遺品を処分する方法を紹介しましたが、どの方法も時間や労力がかかるため、ある程度ゆとりをもって整理できる人に適した方法かもしれません。
もし遺品整理に時間が取れない場合は、業者に依頼しましょう。
業者に依頼するメリットは3つあります。
①作業時間を大幅に短縮できること
②処分も任せられること
③経験豊富なプロに任せられること
特に3つ目は遺品整理時に陥りやすい
「何から手を付けていいか分からない」
↓
「迷っている間に作業時間が確保できなくなる」
↓
「大切な品を誤って捨ててしまったり、きちんと供養ができず後悔が残る」
という負のスパイラルから抜け出せるため、納得のいく遺品整理が行えます。
また、状態の悪い部屋の原状回復まで対応しているので、故人の住居が賃貸の場合や、故人が使っていた部屋を使いたい場合でも安心です。
費用はかかりますが、時間や手間が大幅に省けるので、忙しい人は業者への依頼がおすすめです。
大切な方が残された遺品を整理するのは心苦しいかもしれませんが、適切な整理を行わずにいつまでもそのままにしておくわけにもいきません。
本当に必要なものだけを残すことは大切な思い出を選び取り、これからの人生とともに歩んで行こうとすることです。
故人様と自分自身のためにも遺品整理は丁寧に行いたいものですね。