遺品を売る時のポイント!高く売るコツやトラブルを防ぐための注意点お役立ちコラム

作業風景

「遺品を売りたいけれど、どこで売ればいいのかわからない」「何が売れるのか知りたい」という人は多いでしょう。

遺品と一言で言っても、家具や家電から骨董品、美術品など多種多様ですし、年代物も多いため戸惑うのも仕方ありません。

そこで今回は、遺品を高く売るためのコツ売り方、また売却に伴うトラブルを防ぐための注意点などをわかりやすく解説します。

気持ちの良い売買を行い、大切にしてくれる方に遺品を譲りたいとお考えの方は、ぜひ当コラムを参考にしてください。

この記事を監修した人

監修者
小西 清香氏
整理収納アドバイザー

元汚部屋出身の整理収納アドバイザー。夫の身内6人の看取りや介護をし、生前整理の大切さを痛感。
また看護師時代ICUに勤務し、人の最期もたくさん見てきました。
そんな経験を元に元気なうちから生前整理を!という思いで、片付けと合わせてお伝えしています。

遺品を売る時のポイント①高値で売るためにすべきこと

遺品を売る時のポイント①高値で売るためにすべきこと

遺品を高く売るためには、なるべく新品に近い状態で査定に出したり、専門の買取業者に査定してもらうことがコツです。

付属品を揃える

鑑定書や保証書、箱や袋、紐など、付属品はできるだけ揃えて査定に出しましょう。

同じ品でも、付属品が揃っていない物よりも、揃っている物のほうが高い買取評価を得られる傾向があるからです。

遺品を掃除する

品物の状態は良いほうが査定額は高くなります。

遺品にホコリや汚れなどが付着している場合は、買取査定に出す前にやわらかい布などで拭いておきましょう。

遺品の材質によっては水や洗剤が付着すると変色・変形してしまう物もあるため、取り扱いには注意してください。

デリケートな素材で作られた遺品は、無理に掃除をする必要はありません。

高値になりやすい時期に査定に出す

品物によっては高値が付きやすい時期があるため、売るタイミングを見極めましょう。

例えば、ブランド品ならボーナス前や新年度が始まる前に高値が付きやすくなります。

お酒なら年末年始など、イベント事が多い時期の直前に査定額が上がるようです。

専門の買取業者に査定してもらう

買取を行う店舗や業者・鑑定士によって得意分野があります。

特に骨董品は贋作も多く、目利きが非常に難しいので骨董品を専門に扱う鑑定士でなければ適切な査定は望めません。

その品目に精通している店舗や業者、鑑定士に査定してもらうようにしましょう。

遺品を売る時のポイント②遺品を売るのにおすすめの方法

遺品を売る時のポイント②遺品を売るのにおすすめの方法

遺品を売る方法3つと、どんな人におすすめかをご紹介します。

遺品整理業者に依頼する

遺品整理業者によっては、遺品の仕分けや不用品回収だけでなく、遺品の買取査定も一括で引き受けてくれる場合があります。

ただし、遺品の品目や状態によっては買取査定を断られてしまうこともあります。

*時間のない方や遺品が多くて仕分けが大変という方におすすめ

買取専門業者に依頼する

買取専門業者とは、様々な品物の買取を行っている店舗型の業者のことです。

業者によって得意としている査定品目が異なるため、事前に調べてから持ち込むようにしましょう。

ただし、持ち込む際の梱包や運搬を自力で行う必要があり、売買が成立しなかった場合は持ち帰らなくてはいけません。

*骨董品や美術品、玩具、貴金属など専門性の高い遺品を売却したい方におすすめ

インターネットで売る

フリマアプリやネットオークションに出品すれば自宅で簡単に遺品を売却できます。

インターネットで売るメリットは、販売価格を出品者の希望価格に設定できる点です。

コレクターがいる品なら、遺品整理業者や買取業者に依頼するよりも高値で売れる可能性もあります。

全国規模で遺品を販売できるため買い手が見つかりやすいのも特徴です。

ただし、売れるか売れないかは出品してみないとわかりませんし、品物の保管や管理、梱包、発送などの手間も掛かります。

*骨董品や美術品、玩具、貴金属など専門性の高い遺品を売却したい方におすすめ

高く売れる遺品と売れない遺品、品目と理由を解説します

高く売れる遺品と売れない遺品、品目と理由を解説します

一見価値がないと感じる品でも、思いのほか高額で売れることがあります。

筆者の祖父は船員だったため、遺品整理中に押し入れからコンパスや気圧計などの遺品が見つかりました。

その中から、さほど価値はないであろう品をフリマアプリに出品したところ購入希望者が現れ、需要があることに驚いたものです。

この章では、高く売れる遺品と売れない遺品についてわかりやすく解説します。

高く売れるのは希少性があるものや材質自体に価値があるもの

骨董品

骨董品やアンティーク品は、高値が付くことも珍しくありません。

美術品や工芸品に限らず、懐中時計や勲章、古書や玩具など故人が使用していた小物も骨董品に該当します。

価値が不明な遺品が見つかった場合は処分せず、正確な価値を知るためにも査定に出してみてはいかがでしょうか。

貴金属

貴金属1gあたりの相場で取り引きされ、安定して高価買取につながりやすいのが特徴です。

有名ブランドの物はブランド品として、ノーブランドの物は貴金属として買取査定に出すと適切な価格で買い取ってもらえます。

ブランド品

ブランド品は総じて高値が付きやすいです。

遺品整理で出てきたブランド品は、型やデザインが古い物が多いでしょうが、状態が良く人気がある品であれば買取されます

不要なブランド品は状態が悪くなる前に売却するといいでしょう。

プレミア品や限定版

現在は入手できない洋酒や日本酒、スニーカー、ゲーム機、トレーディングカード、絶版コミックなどが挙げられます。

コレクターからの需要が高く、高く買い取ってもらえる場合があります。

意外に売れない遺品は家電・家具・日本人形

家電製品

家電製品は次々に新しい物が発売されるため、製造から5年以上経っている物ではほとんど値段が付きません。

家具

一般的に出回っている家具は元値が安価の場合が多く買取対象にはなりません。

ただし、高級ブランドの家具であれば高値で買取されることがあります。

日本人形(雛人形・五月人形・京人形など)

有名作家の作品や昭和初期より以前に制作された品には高値が付くことがありますが、多く出回っている品は買取対象になりません。

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遺品の売却に伴うトラブルを防ぐための注意点をご紹介

遺品の売却に伴うトラブルを防ぐための注意点をご紹介

遺品を売却する際に多いトラブルを解説し、未然に防ぐための注意点をお伝えします。

遺族間トラブルを防ぐためには勝手な売却はしない

遺族の誰かが手元に残しておきたいと希望している遺品である可能性もあるため、無断で売却するのはやめましょう。

遺品は物を通して故人の存在を感じるための役割を持ち、残された遺族の心を支えてくれます。

大切な人を亡くした喪失感が癒えていないのに、相談せずに売ってしまうと遺族同士のトラブルに発展してしまうかもしれません。

売買トラブルにならないために遺品であることは事前に伝える

特にフリマアプリやネットオークションを利用して売却を行う場合は、遺品であることをきちんと伝えましょう。

他人の遺品を買い取ることに抵抗を感じる人もいます。

売買後に遺品と発覚した場合、返品・返金しなければいけない事態になることも考えられます。

国民生活センターによると、フリマアプリに関連した相談が2012年から2017年の間に20倍近く増加したそうです。

対面せず取り引きを行う弊害か、商品代金が支払われなかったり、禁止事項を持ちかけられたりなどのトラブルが多発しています。

運営事業者に相談しても解決に至らない場合は、消費者センターなどに相談するよう注意が呼びかけられています。

*参考サイト

「相談急増!フリマサービスでのトラブルにご注意ー個人同士の取り引きであることを十分理解しましょうー」(国民生活センター:2018年)

買取詐欺や不法投棄などの被害に遭わないために業者選びは慎重にする

少なくとも3社以上で買取査定を受けて比較検討し、優良業者を厳選することを推奨します。

遺品の買取を行う業者の中には、悪質なところも存在するからです。

価値ある品を、価値がないと偽り安価で買い取られたり、売るつもりがない品まで持ち去られたりする詐欺被害が起こっています。

他にも「買取品以外に不用な遺品も引き取ってもらえるからと依頼したら不法投棄されてしまった」という事例もあります。

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遺品を売る前に確認しよう!相続や税金について大切なこと

遺品を売る前に確認しよう!相続や税金について大切なこと

遺品を売ると相続放棄できなくなることや、売却利益の申告漏れで「無申告加算税」のペナルティを負うことがあります。

遺品を売ってしまうと相続放棄できなくなる

遺品の売却行為は、民法921条1項に該当し、相続の意思があるとみなされ、相続放棄できなくなることがあります。

故人に多額の借金があるなど、相続放棄をしたい場合には遺品の売却や処分を行ってはいけません

民法921条

相続人が相続財産の全部または一部を処分したとき、単純承認をしたものとみなす。

*単純承認……相続人が、故人(被相続人)のプラスの財産もマイナスの財産もすべて引き継ぐ相続方法。

遺品の売却には税金がかかる場合がある

貴金属や宝石、骨董品などの高級品は、売却したのが相続後だとしても譲渡所得として扱われます。

生活用動産に含まれない高級品は、1個または1組あたりの売却金額が30万円を超えると課税の対象になるのです。

ただし、譲渡所得には特別控除があり、売却した利益から特別控除額(50万円)を差し引いた金額が課税譲渡所得金額になります。

加えて、譲渡所得には「長期譲渡所得(所有期間5年以上)」と「短期譲渡所得(所有期間5年以内)」があります。

売却した品を5年以上所有していた場合は長期譲渡所得が適用されるため、課税譲渡所得金額は2分の1にして扱われます。

*生活動産……家具や家電、日常生活に使用できる衣類など生きていくための生活に必要な物を指す。

*譲渡所得……資産を譲渡されて得た所得のこと。売買できる経済的な価値がある物すべてが対象。

*所有期間……品物を取得した日から引き続き所有していた期間のことで、相続の場合では故人(被相続人)が取得した日から計算する。

譲渡所得額の計算の仕方

収入金額 ー(取得費+譲渡費用)ー 特別控除額 = 課税譲渡所得金額

*収入金額……品物を売ったことで得られた金額。

*取得費……品物の購入代金や手数料、改良費用など。

*譲渡費用……譲渡の際に掛かった運搬費用など。

課税対象にならない例

・すべての遺品を売った金額の合計が50万円以下で特別控除の範囲内だった
・売却額が50万円を超えているが、長期譲渡所得に該当しており課税譲渡所得金額が半減され50万円以下になった

上記例の通り、売却金額が30万円以上になったからといって必ずしも税金を支払わなければならないというわけではありません。

しかし、もし課税対象に該当する場合は、確定申告で適切に手続きを行いましょう

*参考サイト

No.3105 譲渡所得の対象となる資産と課税方法(国税庁)

まとめ

大切な人の遺品は、相続財産というだけでなく、遺族にとっては形見として重要な意味合いがあります。

そのため、他の遺族に無断で遺品を売ってしまうとトラブルの原因になるので注意が必要です。

故人の思い出が詰まった遺品を、遺族全員が納得して売却できるよう、相続や税金についての基本的な知識も押さえておきましょう。

そして、いざ遺品を売る際には、当コラムでご紹介した高く売れる遺品の品目や高く売るためのポイントをぜひ参考にしてください。

この記事を執筆した人

執筆者
株式会社プログレス
編集部 S・A
祖父の遺品整理を行った経験から生前整理・遺品整理の重要性を実感。
より専門的なことを学び、困っている人の助けになりたいとプログレスへ入社。
「知識のない人にもわかりやすく伝える」を信条にプログレス各種サイトのコラムの執筆を担当。
持ち前の独特の感性で言葉を綴る編集部きっての女傑ライター。

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