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お役立ちコラム 生前整理とは?元気なうちに必要性とやり方を学ぶ

作業風景

生前整理とは?元気なうちに必要性とやり方を学ぶ

近年の少子高齢化に伴い、「終活」「生前整理」「老前整理」などの言葉を耳にする機会も増えて参りました。しかし、これらの作業の大まかな意味は知っていても実際のやり方まで知っている方は限られるのではないでしょうか?

生前整理・老前整理は大切な人を思いながら行う作業です。正しい知識を身につけ、後悔が残らないようにじっくりと行いたいもの。そこで今回は生前整理の狙いと進行方法についてご紹介します。

 

生前整理とは?

生前整理とはご自身が他界した後にご遺族が遺産の整理や相続に困ることがないよう、あらかじめ財産や持ち物を整理しておくことです。また、残す遺産や相続に自分の意志を反映できることは、これからの人生を安心して過ごすことにもつながります。

万が一に備えて持ち物を整理しておくのは他界後の片付けだけを見据えた行為ではありません。持ち物を最小限にし、生活をシンプル化することは施設への入所や引っ越しなど生活の環境を移す際の荷造りが楽になることにもつながるため、自身の持ち物を整理することで生き方そのものを見直す生前整理は幅広い年齢層の方々にも広がっています。

 

生前整理と老前整理の違い

生前整理と老前整理はどちらも持ち物・財産を把握して整理することで家族や親族にかかる負担を減らすことが目的ですが、似て非なる行為です。では、具体的に何が違うのでしょうか。

 

行う年齢

老前整理が文字通り高齢に差し掛かる前に行う整理なのに対し、生前整理は年齢に関わらず行うことができます。民法上では15歳以上であれば有効な遺言を残すことができるため、20~30代で生前整理を行う方も増えてきているようです。

 

作業にかけられる時間

老前整理は加齢で体の自由が効きにくくなって施設に入所する場合など、必要に応じて行うことが多いため作業を急がなければいけないケースが多いですが、生前整理は整理を行う意思さえあれば何歳からでも始められるため、じっくりと考えながら作業を進められる特徴があります。

 

整理する範囲と狙い

先述した通り、生前整理と老前整理はどちらもご自身の持ち物を把握して整理することで家族・親族にかかる負荷を減らすことが目的ですが、整理を行う範囲が若干異なります。

生前整理が権利面の整理を重視し、所有している財産を把握することであらかじめ相続・分配手続きを行っておくなど自身が他界した後のことを考えて行うことに対して、老前整理ではこれまでの生活で集めてきた品物の中から老後に必要なものだけを選ぶ作業であることから、ご自身のこれからの人生を考えて物理的な持ち物を整理することが重視されます。

 

混合されがちな生前整理・老前整理ですが、どちらも大切な人を思い、これからの人生を豊かに過ごしていくための大切な作業であることに変わりはありません。続いては整理を行う理由についてご説明します。

 

生前整理を行う理由

生前整理を行う理由は「残していくご遺族のため」「ご自身の残りの人生を豊かにするため」の2種類あります。

 

財産の把握と遺言状の作成

現金・預貯金・不動産・車両・債権など、ご自身が所有している財産を調査してまとめた書類を財産目録といい、財産目録を作成したうえで財産面・相続面に関して伝えておきたいことがある場合は遺言状を作成します。

財産目録を作成しておくことで手間のかかる財産調査がスムーズに進み、遺言状を作成することで相続時の無用な混乱・トラブルを防止することが狙いです。

 

相続関係でのトラブル防止

遺品整理がきっかけで起こる親族・家族間のトラブルのほとんどが相続に関連しています。

元をたどっていくと、相続する財産の量が把握できていないことや相続に関する故人の意思がわからないなどさまざまな原因があるのですが、相続の相談が始まった時点ではまさに後の祭り。話し合いが平行線になりやすい特徴があります。

それらのトラブルを未然に防止するのが生前整理の狙いです。財産目録であらかじめ財産の量や種類を把握しておき、相続に関する希望を遺言状として残しておくことはスムーズな相続を行うための指針になるうえ、各種行政への手続きも行いやすくなります。

 

遺品整理の負担を軽くするため

ご自身のお部屋を見渡していただければわかりますが、冷蔵庫のような生活必需品と、本やテレビのような生活には直接関連しないものの必要な品など、私たちはたくさんの物品に囲まれて生活しています。しかし、使用者が亡くなってしまえばそれらの品は”不用品”となり、遺品整理としてその大半を処分する必要が出てきます。

繰り返しになりますが、私たちはたくさんの物品に囲まれて生活をしています。この品を処分するためには自治体の指示に合わせて適切に分別し、必要な場合は指定の処分場まで運搬するなど相当な時間と労力をかける必要がありますが、大切な方の持ち物を自身の判断のみで処分するのは精神的に辛い作業であること以上に、まとまった片付けの時間を確保するのは難しいという問題があります。

残していく大切な家族のためにあらかじめ持ち物を整理しておく生前整理は、家族・親族の精神的・肉体的な負担を減らすことにつながるのです。

 

自身の生活を見直すきっかけになる

生前整理は自分が本当に必要な物だけを選び取る作業。つまりご自身のこれからの生き方を選ぶことでもあります。整理を通して多くの思い出と再会することはこれからの人生を後悔なく歩んでいくための大切な道しるべとなってくれるはずです。

 

感謝を伝える

生前整理時に普段は恥ずかしくて伝えにくい感謝の言葉や家族へのメッセージを書き残す方も多いです。自身がいなくなった後も残された人たちは健やかに過ごしていってほしい、そう願いを込めながら作業を進めることは生前整理を行ううえでも非常に重要なことであり、大切な方からの感謝の言葉はご遺族にとっても嬉しく、また救われることも多いはずです。

 

生前整理の効果的な進め方

生前整理ではご自身の持ち物すべてが整理の対象になります。この「持ち物」には生活用品や衣服、娯楽品のような言葉通りの物品はもちろん、その方が持っている権利など目に見えないものまで含まれます。そのため、整理前には事前に入念な計画を立てる必要があります。

効果的に整理作業を進めるためには、全体の作業を4ステップに分けるのがおすすめです。

 

1.「必要な物」と「不用品」を分ける

まず最初に物品の整理から取り掛かりましょう。

持ち物を最小限にすることはご自身の今後の生き方を見つめなおすきっかけになり、残されたご遺族の遺品整理の負担を減らすことに繋がるのは先述した通りですが、実際に自分の持ち物を整理するとなるとどうやって作業を進めればいいかわからなくなる方も多いのではないでしょうか。

この作業を進めるうえで重要なことは「もしかしたら今後必要になるかもしれない」など曖昧な判断をしないことです。はっきりと「必要」「不用」のどちらかで判断するようにしましょう。判断材料としては「今でも使っている物」「使う頻度は少ないが使っている物」「思い出の品や記念品など、手放したことで後悔する可能性がある物」は必要、「壊れている物」「1年以上使っていない物」「あまりいい思い出がない物」は不用など、実用性とほんの少しの情感をもとに判断していくのがおすすめです。

また、この作業を行う際の判断は他人に委ねずに自力で考えて行うことをおすすめします。ご自身の人生だからこそ、何を持っていくかは自分で決めるものです。

 

2.財産目録の作成

財産目録とは自身(被相続人)が所有している権利を含めた財産を可視化するための表です。また、この表には資産だけではなく、未払いの税金や借金などの負債も一緒に記載されるので、相続人たちが次に取るべき行動や考える猶予を与えることにも繋がります。

しかし、この財産目録を作成しておくことで財産調査がスムーズに進むのは先述した通りですが、法律上は財産目録の作成は義務付けられておらず、実際に相続作業を進める際にも財産目録の提出を求められることはほぼありません。

それでも作成が勧められる理由は、相続時のトラブルを予防するためです。

遺産分割を行う際には相続人全員で遺産分割協議を行うことが多いですが、この際に財産の量や種類が正確にわからないと疑心暗鬼が生じて不用な言い争いに発展する恐れがあり、それでもまとまらない場合には遺産分割調停にまでもつれ込む可能性があります。

生前整理は残していく大切な人たちのために行うもの。そんな大切な人たちに余計な心労をかけないためにも財産目録の作成は必要なのです。

 

3.遺言書の作成

財産目録を作成したら、遺言状を作成しましょう。正式に書かれた遺言書には法的効力があるため、財産に関する希望を残しておけば自分の願った形で相続が行われます。

遺言書の書き方には自分で全文を作成・押印する「自筆証書遺言」と、自分で文書を作成した後、2人の立会人と共に公証役場に赴いて公証人に遺言書の存在を認証してもらう「秘密証書遺言」に、2人以上の立会いのもと、公証人が遺言者から遺言内容を聞き取って作成する「公正証書遺言」の3種類の方法がありますが、遺言書は決められた書式で書かないと無効になる可能性があるため、自信がない場合は作成からチェック、保管まで任せられる「公正証書遺言」を選ぶことをおすすめします。

 

4.エンディングノート

エンディングノートとはご自身が亡くなった後の希望やメッセージをご遺族に残すための書面です。遺言状とは違って法的効力はないので書かれている希望が必ず実現するとは限りませんが、作成書式や内容に決まりがないため自由かつ気軽に作成することができます。

内容としては、財産や相続についての絶対に叶えてもらいたい希望は遺言書に書いてあるので「臓器提供の意思表示」「死後に連絡してほしい友人の連絡先」など個人的なお願い事や希望を希望を書くことが多いです。

繰り返しになりますがエンディングノート自体には法的効力はないため、作成は生前整理において必須作業ではありません。それでも作成する理由はご自身の偽りのない本心を書き留めておくことにあります。先述した3通りの生前整理作業はご遺族のことを考えながら行う作業ですが、エンディングノートの作成はご自身のための作業です。「これから何を大切にして生きていきたいか」「自分が他界した後、大切な方にどのように過ごしていってもらいたいか」のような希望を余さず書き残しておくことでこれからの人生の目標が明確になり、これからの生活がより充実したものになるはずです。

 

生前整理を通して考えておきたいこと

生前整理作業を行ったことで、解決しておくべき問題が浮き彫りになることも多いです。

作業が完了したら以下の事柄も確認してみてください。

 

遺言状の保管場所

せっかく作成した遺言書も遺品整理の際に発見されなかったり、第三者に見つかって改ざんされたりすれば当然ながら効力は無効となります。そのため、遺言状の置き場所はよく考えて選びましょう。最寄りの公証役場や銀行の貸金庫に預けるのが一般的かつ安全ですが、厳重に保管することばかりを考えず、発見されやすく、必要な時に簡単に取り出せるかどうかも計算に入れて自分にあった方法を吟味することをおすすめします。そのうえでエンディングノートに保管場所を記しておけばより安心です。

しかし、保管に気を配らなければいけないのは「自筆証書遺言」「秘密証書遺言」で遺言書を作成した場合のみです。どうしても不安な場合は作成から保管まで公証人に任せられる「公正証書遺言」の方式で作成することをおすすめします。

 

土地の相続

所有している土地や不動産を誰が相続するのかを決めておかないと、後々トラブルに発展することもあります。金品であれば文字通り”分ける”ことができますが土地の場合はそうはいかず、不動産活用には専門知識が必要なため相続しても持て余してしまう方が多いのが理由です。

そのため、相続人に土地を相続する意思があるかどうか、相続を希望しない場合はどのように活用するかをあらかじめ話し合っておくのがおすすめです。

 

デジタル遺品

持ち主が亡くなり、遺品となった電子端末に保存された個人のSNSやメール、写真やネットバンク口座などのデータやネット上での登録情報のことをデジタル遺品と呼びます。

これらの存在を知らずに端末の売却・処分を行うと個人情報を第三者に悪用される恐れがあるため、生前整理の一環として契約している定額制サービス等の不用なアカウントの解約・退会作業をあらかじめ済ませておくことや、不用になった端末をどのようにして処分してもらいたいかをエンディングノートに意思表示しておくことをおすすめします。

 

まとめ

生前整理は来たる老いと死を恐れながら、諦めの中で行う作業ではありません。大切な人を思い、ご自身のこれからの人生に思いを馳せながら行う希望に満ちた作業です。そのためにも作業は緻密な計画のもとで行う必要があります。

絶対にやっておくべきことは「必要な物とそうでない物の仕分け」「財産目録・遺言書の作成」、余裕があれば「エンディングノートの作成」の4種類。複雑で途方もない作業に思えるかもしれませんが、生前整理は何歳から始めてもいいのがメリット。時間はたっぷりあると言えるでしょう。焦らず、時には誰かの力を借りながらもじっくりと進めていくことをおすすめします。

 

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