形見分けの意味やマナー、注意点を解説!形見をもらったらどうする?お役立ちコラム

作業風景

形見分けは故人を偲び弔う目的で行われるため、渡す側も受け取る側もマナーを守ってトラブルのないようにしなくてはいけません。

当コラムでは、形見分けを行う意味や適切な時期について解説し、マナーや注意点をわかりやすくお伝えいたします。

形見分けって何?意味や適切な時期、遺産相続との違いを解説

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「形見分け」は何のために行うのか、いつするのが良いのかなど、改めて聞かれるとわからないことも多いものです。

この章では「形見分け」の意味、適した時期、遺産相続との違いをご説明します。

 

形見分けの意味は故人の供養

故人の愛用品や宝飾品などを生前親しくしていた親近者で分けることで故人を供養する意味合いがあります。

万物には神様や精霊が宿るという宗教観を受け継ぎ、愛用品には所有者の思いが宿ると考える日本人ならではの文化です。

とはいえ、もし形見を受け取ることが重荷に感じるようであれば必ずしも行わなくても問題ありません。

 

形見分けに適した時期

前提として、形見分けを行うのに決められた時期はありません。

しかし、宗教的な理由や効率面、トラブル防止などの観点から適切な時期はあります。

以下にご紹介しますのでご参考くださいませ。

 

忌明けの法要後

形見分けは基本的に手渡しで行われます。

また、誰に何を形見分けするかは相続人全員で話し合って決める必要があるため、親族が集まりやすい忌明けの法要後が適しているのです。

仏教 四十九日法要の後
神道 三十日祭もしくは五十日祭の後
キリスト教 没後1カ月の召天記念日

 

キリスト教には形見分けの文化はありませんが、行うとしたら没後1カ月の召天記念日が多いようです。

 

遺品整理が終わった後

遺品整理を行う前では、形見分けする品がどれだけあるのか正確に把握できません。

遺品整理は、親族総出で取り組めるのが理想的ですが、難しい場合は遺品整理業者や遺品整理士などのサポートを受けるのもおすすめです。

 

遺産相続が終わった後

法に則り遺産相続がすべて完了した後なら「誤って資産価値のある品(財産)を形見分けしてしまった」などのトラブルを防止できます。

遺産分割協議(相続人全員で遺産の分割を話し合う場)の際に、形見分けについても話し合っておくと良いでしょう。

 

形見分けと遺産相続との違いを比較

故人のものを受け継ぐという点で共通する形見分けと遺産相続ですが、「対象者」と「資産価値」の2点が大きく異なります。

  形見分け   遺産相続
対象者

血縁者に限らない(故人の友人や同僚なども対象)

家族や親族などの血縁者
資産価値 なし(原則110万円以下/年間) あり

 

 

形見分けをする時の注意点は6つ!事前に確認しておこう

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故人の遺志を尊重する

「誰に」「何を」形見分けしてほしいかという故人の希望がわかる場合は、その遺志を尊重して行いましょう。

遺言書以外にも、エンディングノートに明記されていることもあります。

 

誤って処分しないように注意する

遺品整理を行う時はとくに気を付けましょう。

故人の所有物を仕分けて不用品を処分する際に、誤って形見や貴重品を捨ててしまうことがあるようです。

 

相続人みんなで話し合う

形見は相続人全員の共有財産です。

誰に何を形見分けするかは全員で話し合って決めなくてはいけません。

形見を勝手に処分したり他人に譲ったりしたために、親族間でのトラブルにまで発展するケースもあります。

ある人にとってはゴミ同然でも、別の人にとっては価値がある場合もあるのです。

 

*関連コラム

勝手な形見分けはトラブルの原因に!遺品整理や相続でも注意しよう

 

財産的価値を確認する

形見分け品は相続財産の対象外ですが、形見の財産的価値が年間110万円を超える場合は相続財産とみなされるため注意が必要です。

ただし、遺産の総額が相続税の控除範囲内(3,000万円+600万円×法定相続人の数)であれば申告する必要もなく、相続税もかかりません。

 

相続放棄できなくなる場合がある

財産的価値がある物を形見分けした場合、相続財産の処分や隠匿とみなされて相続放棄できなくなります。

「故人の借金を引き継ぎたくない」などの理由から、もし相続放棄を検討しているのなら形見分けは慎重に行いましょう。

 

*参考サイト

民法第九百二十一条「法定単純承認」(e-GOV法令検索)

 

贈与税の課税対象になる場合がある

親族以外に形見分けを行ったケースで、形見の財産的価値が年間110万円を超えていた場合、受け取った側に贈与税の支払い義務が生じます。

受け取る側が納得していれば良いのですが、精神的・金銭的に負担を感じさせてしまうような形見分けはしないように注意しましょう。

 

形見分けを行う時のマナー、どうやってお渡しするの?

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形見分けを行う時に、相手へ失礼のないよう基本的なマナーを確認しておきましょう。

 

形見をきれいにする

形見は、相手にお渡しする前にクリーニングやメンテナンスを施してきれいにしておくのがマナーです。

傷みが目立つものや壊れているものは基本的に贈りませんが、相手がわかったうえで受け取りたいと了承している場合はお渡ししても問題ありません。

 

目上の方には贈らない

形見を故人より目上の方に贈るのは失礼にあたります。

相手から譲って欲しいと申し入れがあった場合はお渡ししても大丈夫です。

 

包装しない

形見はプレゼントではないため包装しません。

そのままでは渡しづらいという場合は半紙などの白い紙で包みましょう。

その際、仏式なら「遺品」、神道なら「偲び草」と表書きすればより丁寧になります。

 

手渡しする

形見は、相手に直接手渡しするのが基本的なマナーです。

しかし相手が遠方に住んでおられるなど直接お渡しできない事情がある場合は、事前に連絡を入れて了承を得てから郵送で送りましょう。

 

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形見分けを受ける側のマナー「断る」「捨てる」はNG?

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形見を受け取る場合のマナーも確認しておきましょう。

 

基本的には受け取る

故人や遺族のためにも、形見は受け取るのがマナーです。 しかし、どうしても受け取れない場合は辞退しても問題ありません。

その際、遺族の気持ちに配慮したうえできちんと理由を説明しましょう。

 

受け取った形見を他人へ譲るのはNG

受け取った形見が要らないものであった場合でも、他人へ譲ったり売却したりするのはマナー違反です。

不要なら丁寧に理由を説明したうえで受け取りを辞退しましょう。

*断り方例*

「お気持ちは嬉しいのですが、形見を目にするたびに故人を思い出し辛くなってしまいます。大変申し訳ございませんが辞退させてください」

「私ではこちらの品を使う機会がありませんので、大切に使い続けてくださる相応しい方にお譲りください」 など

 

お返し・お礼状は不要

形見分けは、故人の供養のために行うものなのでお返しはしないのがマナーです。

プレゼントではありませんのでお礼状も不要です。

 

受け取った形見を手放す時はお焚き上げや寄付を

大切にしていた形見でも、古くなって傷んだり壊れたりしてしまうこともあります。

やむを得ず処分する場合は、お寺や神社でお焚き上げしましょう。

お焚き上げできない形見(不燃物など)は読経や清塩で供養してもらえます。

処分するのは忍びないという場合には、学校、図書館、病院、博物館、美術館などの公共施設へ寄贈するのが良いでしょう。

品物によっては受け取ってもらえないこともあるので、寄贈したい場合は事前に施設へ問い合わせて確認してください。

*お焚き上げ*

遺品や形見を浄火で焚いていただき故人の魂を供養する儀式。

 

*関連コラム

遺品の供養やお焚き上げはいつやる?依頼方法や料金相場まで! 

 

生前整理の際に形見分けをする方法も!メリットをご紹介

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近頃では、自分の老後や死後に備えて生前整理に取り組む人が増えてきました。 形見分けは、この生前整理の一環として行うこともできます。 生前に行うからこそのメリットもありますのでご紹介します。

 

生前に形見分けを行うメリット

自分の意思で「誰に」「何を」贈るか決められる

元気な今だからこそ、誰に何を贈りたいのかをじっくり考えて決めることができます。

 

相手へ事前に相談できる

譲りたい相手にも意志や好みがあります。 受け取ってもらえるかを相手と直接相談できるのも魅力です。

 

自分の死後に形見分けによるトラブルが発生するのを減らせる

形見分けの希望を遺言書で残しておけば、自分の死後に相続人間でトラブルになる可能性を減らすことができます。

 

まとめ

筆者は祖父の形見の万年筆を持っていますが、この存在は心の拠り所となり悲しみを癒してくれたと感じています。

しかし、反対に受け取ることを負担に感じる人もおられるでしょう。

形見分けは渡す側、受け取る側、双方にとって心地良い形で行うことがなによりも大切です。

また自分が亡くなった後、家族や親族に負担をかけたくないというのであれば、今の内から生前整理を始めましょう。

 

*関連コラム

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この記事を執筆した人

執筆者
株式会社プログレス
編集部 S・A
祖父の遺品整理を行った経験から生前整理・遺品整理の重要性を実感。
より専門的なことを学び、困っている人の助けになりたいとプログレスへ入社。
「知識のない人にもわかりやすく伝える」を信条にプログレス各種サイトのコラムの執筆を担当。
持ち前の独特の感性で言葉を綴る編集部きっての女傑ライター。

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