遺品整理でもめる理由とは?トラブルが起きた場合の対処方法も解説お役立ちコラム

作業風景

遺品整理はやり方を間違えてしまうと、親族間でもめる可能性があります。
大切な家族や親族が亡くなり心身ともに大きな負担を抱える中、親族同士でもめるのは避けたいですよね。
親族同士が争っていると故人もきっと悲しみます。

それにしても、なぜ遺品整理で親族がもめるのでしょうか。
トラブルになる理由や、遺品整理でもめないよう事前に防ぐ方法を解説します。

この記事を監修した人

監修者
小西 清香氏
整理収納アドバイザー

元汚部屋出身の整理収納アドバイザー。夫の身内6人の看取りや介護をし、生前整理の大切さを痛感。
また看護師時代ICUに勤務し、人の最期もたくさん見てきました。
そんな経験を元に元気なうちから生前整理を!という思いで、片付けと合わせてお伝えしています。

遺品整理でよくあるトラブル

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遺品整理で親族がもめるのは何故でしょうか。

お正月やお盆に必ず集まるような仲の良い親族同士が、遺品整理をきっかけに絶縁状態になったり、裁判で争ったりするようなこともあります。

起こりやすいトラブルを事前に知っていれば、争いを未然に防げるかもしれませんので、遺品整理前に目を通しておいてくださいね。

 

①口約束によるトラブル

遺品整理で多いトラブルが「口約束」です。

例えば、生前に父親から「自宅は稼業を引き継いで両親の世話をしてくれた長男であるお前のものだ」と言われていたとします。
しかし、遺書やエンディングノートに父親の意思が文章で残っていなければ、それはただの口約束です。

父親が亡くなり遺品整理の際に姉妹にそのことを伝えると、それまで仲の良かった家族の雲行きが怪しくなります。
何も形に残っていないため、故人が本当にそんなことを言ったかどうかを判断できないからです。

もしそれが本当だったとしても遺書に残していない以上、家族は納得せず権利関係でもめます。
権利関係の相続は金銭が絡む以上、常識や心情でどうこうなるものではありません。

口約束はトラブルの元と思ってください。
筆者は身をもって体験済みです。 いまでも当時のことを思い出すたびに、嫁姑の壮絶な確執を描いたドラマ『渡る世間は鬼ばかり』のテーマソングがどこからともなく聞こえてきます(嫁姑のバトルではなく親族間のトラブルなんですけどね)。
高齢のご両親がいらっしゃる方は必ず遺書を残すように説得し、ご自身も残された家族がもめないよう早めに準備しておきましょう。

 

②大切な物を処分してしまった

遺品整理で難しいのは、人によって思い入れの強い品物がそれぞれにあることです。
また、一見すると不用品にしか思えないような物が、実は大変な価値がある品物という場合もあります。 金銭的な価値だけではなく思い出のように精神的に貴重な価値がある遺品もあると思いますので、遺品整理は相続人が揃って行うようにしましょう。

一度処分してしまうと取り戻せず親族間でトラブルになりかねないため、遺品整理を始める前に、残す物について話し合う場を設けておけば安心です。

 

③安易に「譲る」と約束をしてしまった

親族から「母親が使っていたブレスレットを譲ってほしい」と相談され、「わかった」と安請け合いしてしまったためにトラブルに発展するケースもあります。

その遺品があるかどうかわからない以上は必ず渡せるとは限りませんし、もしそのブレスレットが高級品であれば、話し合いが必要になるかもしれません。

安易に「わかった」と言わず、「見つける努力はする」など曖昧な返事にとどめておけばトラブルを回避できます。

 

④勝手に遺品整理を進めた

ここまでお読みいただいたのでその重要性をお分かりいただけたかと思いますが、相続人が複数いる場合は、全員が揃って整理できるように必ずスケジュールを調整しましょう。

なかなか時間が合わず、整理を先延ばしにしているうちに勝手に遺品整理を進められてしまったというトラブルはとても多いです。

遺品整理は必ず他の相続人の許可を取ってから始めてください。 欲しい物があったのに立ち会えなかった、捨てられた、勝手に他の親族に持っていかれた……などと後々トラブルになる可能性があります。

遺品整理では、誰が見ても不用品と分かる物以外は処分してはいけないのが基本です。

 

これ以外にも、遺品整理の費用を誰が払うかでもめるケースも少なくありません。

遺品整理の思いがけないトラブル

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よくあるトラブルはいわゆる「うっかり」が原因のため未然に防げますが、思いがけないことが原因で遺品整理でトラブルが起きる場合もあります。
その代表的な例を紹介します。

 

①初めて存在を知る親族が出てくる

遺品整理や相続を進めるときに隠し子などの第三者から連絡を受ける場合があります。
予想外の出来事に激しく動揺すると思いますが、拒絶せず、まずは面会の場を設けて遺品整理や相続について話し合いましょう。

中には、財産の相続意思はないと申し出てくるケースもあります。
話し合わなければわからないので、隠し子や親族が現れた場合も慌てず冷静に対応しましょう。

 

②財産の価値が変化する

相続した時はそれなりの価値があった物が、数カ月後には価値が下がるようなことがあります。

もし他の遺品を相続していたら価値が下がらなかったかもしれない……と申し出て、他の相続者ともめてしまうのです。
特に土地や建物、金、証券などは時価によって相場が変わるので、相続する場合は長期的な価値を含めて検討しましょう。

こうした問題や負担が残された家族に大きくのしかかるのを未然に防ぐために生前整理を行ったり、エンディングノートを準備したりする方が少しずつ増えています。

 

生前整理やエンディングノートに興味のある方は、ぜひこちらのコラムもご覧ください。

『終活を始める人必見!エンディングノートの書き方をわかりやすく解説』

『生前整理の進め方は?整理するメリットや失敗しないポイント』

親族が遺品整理でもめないようにするには?

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遺品整理がきっかけで仲の良かった親族と絶縁するようなトラブルに発展することもあります。

もめないためには、どうすればいいのでしょうか。

予防法を見ておきましょう。

 

①整理を始める前に話し合いの場を設ける

遺品整理でトラブルになる理由の多くが、遺品整理のやり方や相続について意見交換をしていないからです。
遺品整理でもめないようにするには、まず話し合いの場を設けることが本当に大切です。

意見交換は下記の手順で進めると円滑に進みます。

 

STEP1:遺品整理に参加する親族が自分の意見をしっかりとまとめておく
STEP2:親族の中でリーダーを一人決め、意見交換をする
STEP3:自分の意見を一方的に伝えるのではなく、他の親族の話にもしっかりと耳を傾ける
STEP4:すべての親族が意見を述べれば内容をまとめる
STEP5:まとめた内容について親族同士で合意を形成する

 

それぞれの考えや思いを腹を割って話し合わなければ、トラブルは回避できません。 意見交換をすれば、これまで気づかなかった新たな発見も得られるでしょう。 親族で話し合った内容をまとめて同意し、初めて遺品整理が進みます。

 

②相続の具体的な取り決めをしておく

親族と意見交換をしたら、相続の具体的な取り決めをしておきましょう。 そのときに重要になるポイントが下記の4点です。

 

ポイント1:相続財産について親族で理解しておく
ポイント2:遺産を受け継ぎ、継承する人を決める
ポイント3:財産相続の割合を決める
ポイント4:相続税について親族で理解しておく

 

財産相続は誰に、いくら、どれくらいの割合で、と細かく決めておけばトラブルは開始しやすいです。
どうしても話し合いで解決できなければ家庭裁判所に介入してもらう方法もありますが、「そこまではちょっと……」と思われる方がほとんどでしょう。

相続財産についてきちんと理解していなければ、財産を相続したあとに膨大な相続税の支払い義務が生じる場合があります。 それによって、親族間でトラブルになることもあるので注意が必要です。

 

③遺品整理業者に片付けを依頼する

誰も遺品整理で親族ともめたくないですよね。
それでも親族同士で合意形成ができずもめてしまうなら、遺品整理業者に片付けを依頼してみるのはどうでしょうか。

親族だけだとどうしてもトラブルになってしまいそうなときや、遺品整理をする家が汚部屋やゴミ屋敷状態になっていればはなかなか整理できません。
親族だけで遺品整理をすると、大切な遺品を隠されるようなトラブルが発生することも残念ながら起きる可能性があります。

業者が間に入れば片付けの手間や負担が大幅に減少し、大切な遺品も見つかりやすくなってスムーズに進みます。
業者のように親族の誰にも加担する立場にない第三者を間に入れて整理する方法もトラブル回避には大いに有効なので、うまく進みそうになければ利用を検討してみましょう。

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トラブルを未然に防ぐ!業者選びの注意点

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ほとんどの方が遺品整理サービスの利用経験がないために、知り合いから業者を勧められることはあまりないでしょう。
業務内容や費用相場がわかりにくいために、利用には慎重にならざるを得ないのは仕方ないと思います。

そこで、遺品整理業者の利用を検討する際に、特に注意すべき点をまとめておきます。
トラブルにならないよう、スタッフが見積もりに来たら気になることは細かく聞いておきましょう。

 

①高額請求のトラブルに注意する

遺品整理の費用相場を知らないことを利用して、高額な費用を提示する業者もいます。
費用でもめたくなければ、見積書に内訳と追加料金が発生する場合の状況を書いてもらいましょう。

業者によっては「作業しないと細かいことはわからない」と詳細を提示したがらないかもしれません。
このような、曖昧な態度をとる業者は利用しないようにしてください。

いろいろ理由をつけて追加請求されたり、見積書よりも高額な費用を請求されたりする可能性もあります。
万が一、追加請求された場合はその場ですぐ支払わずに、ご家族や消費者センターに相談してから対処するようにましょう。

 

②不法投棄のトラブルに注意する

ニュース番組でも取り上げられることがありますが、不法投棄をする悪質な業者も存在しています。

遺品や不用品の回収・買取をするには正式な許可証が必要ですが、ニーズの高まりを受けて無許可で活動している業者も増えています。
そのような業者に誤って依頼してしまうと、回収品を山林に投棄されるような事態が起きる可能性も否定できません。

不法投棄が判明した場合は違法な行為を実行した業者はもちろん、依頼者も責任を問われ、罰則や罰金の対象となります。
遺品整理業者が無許可であると知りながら依頼した場合は、5年以下の懲役刑、もしくは1,000万円以下の罰金刑、または併科となります。

もちろん事件が発覚すれば警察官から事情聴取を受けますし、回収の義務も生じます。
回収すれば費用もかかり、投棄してしまった土地の所有者やその周辺の方にも迷惑をかけてしまったためお詫びに伺うなど影響は多岐にわたりますので、業者選びは慎重に行いましょう。

 

③現金や高価な品物の盗難トラブルに注意する

遺品整理を効率的に進めるための知識や技術を身につけるために遺品整理士という民間資格があるのをご存知でしょうか。

長年営業を続けている遺品整理業者には、遺品整理士の資格を持つスタッフが高い割合で在籍しています。
こうした有資格者が在籍しているかどうかも業者選びの選択基準としてください。

また、社員ではなく派遣アルバイトを雇って整理を行っているような業者にも要注意です。
遺品整理時に現金や貴金属類の盗難に遭うリスクがあるからです。

業者の多くが遺品の買取にも対応していますが、価値がある品物とわかっていながらそのまま回収し、後で換金するような悪質な業者もいます。
できることなら業者が遺品整理を始めるまでに、貴重品や現金は親族と一緒に確認してまとめておくようにしてください。

もちろん遺品整理中に貴重品や現金が見つかる場合がほとんどなので、実績のある業者に整理を任せることが大切です。

 

独立行政法人国民生活センターの報告書を見ても、「高額な追加料金が発生した」「処分しない予定の遺品が処分された」など、料金や作業内容に関する相談が多く寄せられているのがわかります。

当コラムと同じように、行政や民間機関のサイトでも遺品整理業者を利用した際に起こりやすいトラブルや被害をまとめた情報を公開している場合がありますので、サービスの利用を考えている方は事前に確認しておくと良いでしょう。

業者に依頼する前に遺族が知っておくべきこと

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遺品整理は家財道具などの物品を整理する以外に、土地や建物の権利書、預貯金など様々なものを取り扱います。
正しい知識を持たずに整理を進めてしまうと、重要な書類や物品を誤って処分してしまいトラブルが生じることがあります。

また、賃貸物件では備え付きの家具や家電を誤って捨ててしまったり、反対に私物品を備え付けと勘違いして処分しなかったりするケースもあります。

特に一人暮らしの方は万一の場合に備え、エンディングノートやメモ書きでも構わないので第三者が処分で悩まないように詳細を書き残しておくのがベストです。
遺品整理をする側も、故人が遺書やエンディングノートを生前に準備しているかもしれないことを念頭に置いて、探しながら整理を進めましょう。

先程、業者による現金や貴金属類の盗難リスクについて紹介しましたが、これは業者に限った話ではありません。

家族のみで遺品整理をしている最中に現金や売却価値がある物を見つけて、そのまま他の家族に申告せず勝手に持ち出すようなケースもよく耳にします。

故人も家族間でもめるのを望んでいないはずです。

遺品整理は損得や物の価値ではなく、「引き継ぐ」意思に重点を置いて行いましょう。

まとめ

遺品整理でよく起きるトラブルと予防方法を紹介しました。

中には予想外の出来事によって相続・遺品整理トラブルが引き起こされることもありますが、慌てず冷静に話し合って解決策を導きましょう 。

もし家族間でもめたり、体力的な問題で遺品整理ができなかったりする場合は、遺品整理業者の利用を検討してみてはいかがでしょうか。
遺品の整理・搬出を確実に進めてくれるので、時間的・体力的にも大きな負担がかかる心配はありません。

業者選びで大切なポイントも解説していますので、ぜひ参考にしてください。

遺品整理でトラブルが起こらず、故人を偲びながら有意義な整理ができるよう心から願っております。

この記事を執筆した人

執筆者
株式会社プログレス
編集部 F・N
フリーライター時代に取材した遺品整理の仕事に興味を持ち、プログレスの編集メンバーに。
遺品整理やゴミ屋敷の問題や疑問、関心を先回りして発見し、問題提起するプログレスきってのリサーチャー。
身近に起きる不用品処分や遺品整理の悩みを記事でサポートするをモットーに、プログレス各種サイトのコラムを執筆中。

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