空き家の整理はどうするの?やり方から費用の相場まで徹底解説!お役立ちコラム

作業風景

「親が亡くなったので実家の整理をしたい」「相続した実家に住む予定がなく空き家になってしまう」

近年、このように空き家の整理に悩む人は増加傾向にあります。

空き家の増加は社会問題としても非常に深刻であり、喫緊の課題として自治体はおろか国による早急な対応が求められています。

しかし、空き家を整理するにしてもどのように進めればいいかわからない人がほとんどだと思います。

そこで今回は、空き家を整理する際の手順や放置するデメリット、費用面について紹介します。

この記事を監修した人

監修者
小西 清香氏
整理収納アドバイザー

元汚部屋出身の整理収納アドバイザー。夫の身内6人の看取りや介護をし、生前整理の大切さを痛感。
また看護師時代ICUに勤務し、人の最期もたくさん見てきました。
そんな経験を元に元気なうちから生前整理を!という思いで、片付けと合わせてお伝えしています。

知っておきたい”空き家問題”のアレコレ

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1.空き家増加の原因

空き家とは「1年以上誰も住んでいない状態が続いている家や敷地」のことを指します。

人の出入りがないことや、電気や水道の使用実績がないと「住んでいない状態」と判断されます。

 

空き家が急増する主な原因は核家族化です。

子世代は別に住居を構えていますし、遠方に住んでいれば親の死後も実家の片付けはなかなかできません。

総務省統計局の調査によると、昭和から平成に渡って右肩上がりで空き家は増加しています。

日本の総人口は2008年をピークに、その後は減少を続けており、2050年頃には1億人を下回ると予想されていることを踏まえると、空き家の増加はさらに加速することが容易に想像できます。

 

*参考サイト

平成30年住宅・土地統計調査結果(総務省統計局2019年)

 

人口減少社会の到来(総務省:平成28年版 情報通信白書)

 

2.空き家が抱える問題

少なくとも1年以上放置されているので、草木が生い茂って隣家の敷地に侵入したり、害獣や害虫が発生したりすることはほぼ避けられません。

さらに心配なのが、浮浪者や不審者が住みついたり、台風や地震などの自然災害時に倒壊や破損の恐れがあることです。

空き家は持ち主だけではなく、近隣住民にとっても非常に深刻な問題なのです。

 

3.空き家対策特別措置法

空き家を放置することで起こり得るトラブルを解消し、空き家の新たな活用方法や処分を後押しするための法律として、「空き家対策特別措置法」が2015年に施行されました。

空き家の定義を満たし、且つ調査のうえ「特定空き家」に指定されると、空き家の持ち主に整理や片付けが要求されます。

それでも改善されない場合は、行政が修繕または撤去の指導、是正勧告、改善命令を行うことができます。

 

*特定空き家

特別措置法で定義された「倒壊等著しく保安上危険となる恐れがある状態」「著しく衛生上有害となる恐れがある状態」「適切な管理が行われないことにより著しく景観を損なっている状態」「その他周辺の生活環境の保全を図るために放置することが不適切である状態」のいずれかに当てはまる空き家のこと。

空き家整理は必要?

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空き家を放置するデメリット

・維持費用がかかる

空き家の大きさや立地にもよりますが、固定資産税、都市計画税、火災保険、光熱費、修繕費用熱費、庭木剪定、その他維持費用がかかり、年間10万~35万円程必要。

 

・廃墟化し倒壊や破損が起こる

管理が行き届いていない空き家は急速に老朽化が進みます。

倒壊や破損物の落下に、近隣の家屋や住民が巻き込まれてしまう可能性も。

 

・資産価値の低下

荒れた家屋は資産価値が下がり、売却や貸し出しが困難に。

 

・犯罪の発生原因になりやすい

不審者の不法侵入・占拠、盗難、放火などの犯罪に遭うリスクも。

 

・固定資産税の優遇除外

更地にすると固定資産税が高くなるからと建物を残している人も多いですが、特定空き家に指定されると固定資産税の優遇除外に。

 

 

保養地として使用しているなど、維持費を掛けてでも所有していたいという方は別ですが、維持管理が難しいなら、今後起こり得るトラブルを回避し、余計な出費を続けないためにも、空き家整理は必要だといえるでしょう。

 

一般的に「親が亡くなり実家を管理する人がいない」「相続税対策」「住人本人が引越しや施設への入所をする」といったタイミングで整理されることが多いようです。

親が亡くなれば相続に関する手続きも必要になるため、自分たちで空き家整理をするなら、後回しにはせずなるべく早く始めることが大切です。

 

*参考サイト

空家の維持費用(NPO法人空家・空地管理センター)

空き家の整理を自分で行う方法と効率良く進めるコツ

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自分で行なう手順

1:人手の確保とスケジュール調整

空き家整理には少なくとも3人以上の人手が欲しいところです。

不用品の仕分けや搬出、ゴミ処理センターへの持ち込み、清掃など、作業も多く体力も必要なため1人ですべてを行うのは無理があります。

荷物量や部屋数にもよりますが、数日~数週間程度はかかるものとして、スケジュールも余裕を持って設定しましょう。

 

ゴミや不用品の処分方法を確認しておくことも大切です。

自治体のゴミ回収やゴミ処理センター利用のルール確認、運搬用車両の手配などをしておきましょう。

ゴミや不用品の処分だけ専門業者に頼む方法もあります。

 

2:道具の準備

作業を円滑に進めるため、事前に必要な道具は揃えておきましょう。

 

・マスク

・軍手

・動きやすく汚れてもいい服装

・ゴミ袋

・ガムテープ、ビニール紐

・掃除道具(掃除機、雑巾、洗剤など)

・殺虫剤

 

3:害虫駆除

長らく放置している空き家の場合、害虫が発生している可能性は高いです。

見かけなくても潜んでいるかもしれませんので、できれば片付けを行う前日にくん煙・くん蒸タイプの殺虫剤を使用しておきましょう。

その際、近隣住民に殺虫剤を使用する旨を伝えておくことをおすすめいたします。

 

以前、隣接する空き家でくん煙殺虫剤が撒かれ、逃げてきた害虫が何匹も自宅に侵入してきて、パニックに陥った経験が筆者にはあります。

予めわかっていれば、同日にこちらもくん煙殺虫剤を使用する、侵入を防ぐ殺虫剤を自宅周りに撒いておくなどの対策ができました。

トラブルを防ぐためにも、近隣住民には空き家整理を行うことや殺虫剤を撒くことは、日程を含め事前に説明しておくことを推奨します。

 

4:不用品やゴミの仕分けと処分

空き家内にある荷物は「残すもの」「処分するもの」「保留」の3種類に仕分けていきます。

貴重品や重要書類、金銭的価値のある品などは誤って捨ててしまわないよう注意が必要です。

思い出の品などの処分に迷うものは一旦保留にして、数日~数週間おいてから再度判断するようにしましょう。

ゴミや不用品は、事前に確認した方法で適切に処分を。

 

5:清掃

ホコリを取り除き、拭き掃除を行います。

酷い汚れは洗剤を使用して洗浄しましょう。

 

効率良く進めるコツ

・実家を片付ける場合は家族や親族と事前に相談する

「何を残して、何を捨てるのか」「空き家は解体するのか、そのまま運用するのか」などを話し合っておくことで、片付けもスムーズにできますし、親族間でのトラブルも防ぐことができます。

 

・どんどん進めることを心掛ける

要不要の判断に時間をかけていては、いつまで経っても終わりません。

貴重品や必需品以外は、基本的に処分する前提で片付けましょう。

 

・出入口付近、動線から片付ける

ゴミや不用品の搬出をスムーズに行うため、出入口付近や動線となる場所から片付けましょう。

 

・1部屋ずつ片付ける

1部屋ずつ確実に片付けることで成果が目に見えて、モチベーションを保ちやすくなります。

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業者に依頼すべきケースと業者選びのコツ

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業者に依頼したほうがいいケース

・物が多い

・家が広い(3部屋以上ある)

・水回りが使えない

・体力や健康面で不安がある

・人手が足りない

・時間の確保が難しい

・不法投棄などでゴミが溢れている

・害虫、害獣が大量発生している

 

業者選びのコツ

空き家の整理を業者に任せるときは、以下の8つの条件を満たしているかを必ず確認しておきましょう。

 

・空き家整理の実績が豊富である

・見積もりが無料で対応が迅速である

・不用品の買取に対応している

・遺品整理にも対応している

・見積もり金額が明確である

・問い合わせ時のスタッフや担当者の対応が親切で感じがいい

・利用者の口コミや評判がいい

・産業廃棄物収集運搬許可、古物商許可を得ている

 

最も肝心なは、信頼できる業者かどうかを見極めること。

費用の安さだけを重視して選ぶと、粗雑な作業や横柄な態度をとられることもあり、盗難や回収品の不法投棄、さらには作業後に法外な追加請求をされるなどのトラブルに巻き込まれる恐れもあります。

 

少なくとも3社以上から相見積もりをとり、空き家整理にかかる大まかな相場を把握することが大切です。

特に理由も無く、安すぎたり高すぎたりする場合は要注意。

悪徳業者を選んでしまわないように、実績や評判などを総合的に判断したうえで慎重に選定しましょう。

業者に依頼した場合の費用相場と節約のコツ

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業者の費用相場

整理する部屋の広さ、処分品の量によって料金は大きく変わります。

業者によってサービス内容や料金には差がありますので、複数の業者で相見積もりをとって比較検討しましょう。

 

1R:30,000~80,000円

1DK:50,000~120,000円

1LDK:70,000~200,000円

2DK:90,000~250,000円

2LDK:120,000~300,000円

3DK:150,000~400,000円

3LDK:170,000~500,000円

4LDK以上:220,000~

*上記の費用はあくまでも相場です。実際の費用は依頼する業者に必ず確認してください。

 

節約のコツ

ある程度自分で整理を済ませてから業者に依頼すれば労力・費用面ともに抑えることができます。

 

1:できることは自分でする

粗大ゴミの処分には自治体回収を利用、リサイクル必須の家電4品目(エアコン、テレビ、冷蔵庫、洗濯機)は家電量販店に引き取ってもらうか回収場所に持ち込むなど、自力でできることは先に済ませておくと節約に。

 

2:不用品は売る、譲る、寄付する

使用できる品は知人や親族に譲ったり、施設などに寄付したりする方法も。

また、リサイクルショップや買取専門店、フリマアプリなどで売りに出せば費用の足しになります。

 

3:空き家・土地の活用

整理後の空き家は解体・売却する以外にも賃貸物件として人に貸したり、コミュニティスペースとして地域の人に利用してもらったりすることもでき、上手に運用できれば将来的に収益も見込めます。

田舎ならば福祉や医療施設に、古民家ならカフェや民宿として活用するか貸し出すなど幅広い用途があります。

解体後の土地を活かして駐車場にするなど、土地柄や地域性、コミュニティなどの特徴に合わせて活用することを考慮すると良いのではないでしょうか。

まとめ

空き家をそのまま放置していると家が荒れ果てて資産価値が下がるだけでなく、近隣住民とのトラブルを引き起こす恐れもあります。

不利益を被る前に、空き家の整理はできるだけ早く始めましょう。

できることは自力で行いそれ以外を業者に依頼する、もしくは労力や時間などを考慮して業者にすべて任せるなど、それぞれのご事情にあわせて整理を進めるようにしてください。

高齢者の方や人手が足りない場合は無理をせず業者を利用することを推奨いたします。

 

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この記事を執筆した人

執筆者
株式会社プログレス
編集部 F・N
フリーライター時代に取材した遺品整理の仕事に興味を持ち、プログレスの編集メンバーに。
遺品整理やゴミ屋敷の問題や疑問、関心を先回りして発見し、問題提起するプログレスきってのリサーチャー。
身近に起きる不用品処分や遺品整理の悩みを記事でサポートするをモットーに、プログレス各種サイトのコラムを執筆中。

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