何らかの事情で業者にお宅の片付けを依頼する際に「家財整理」と「遺品整理・生前整理」があり、どういう違いがあるんだろう?と戸惑ったことはありませんか?
家財整理という言葉には2つの意味があり、
1:遺品整理・生前整理・空家整理の3つの作業の総称を指す場合
2:家の財産を処分する作業を指す場合
の2つの意味があります。
当コラムではこれらの意味の他に、家財整理業者の選び方や気を付けたい事について解説します。順番に見ていきましょう。
まずは「遺品整理・生前整理・空家整理の3つの作業の総称を指す場合」の意味から紹介します。
家財の整理方法は行うタイミングと狙いによって3種に分類されます。
身内が亡くなった際に残していった品(遺品)を整理する作業。
遺族が不用品処分、家財の搬出・処分、清掃、相続などの行政手続きを行います。
元気なうちに持ち物を整理しておくことで遺族の負担を減らす作業。
主に自分自身で不用品処分、財産の整理、清掃などを行います。
老人ホームへの転居などで誰も住まなくなった持ち家や、老朽化で価値がなくなった賃貸物件などの空家を整理する作業。
この「整理」には売却などの土地活用の他、解体なども含まれます。また、清掃や活用のための家財の搬出など、一部作業が遺品整理・生前整理と共通します。
続いて「家の財産を処分する作業を指す場合」の意味を解説します。これは読んで字のごとく不用になった家財を整理することで、模様替えや買い替えなどで家具などを処分する場合も家財整理といいます。遺品整理とは言い方が違うだけで同じように思えますが、作業規模に違いがあります。
家財整理は不要なものだけ処分すればいいので自力での対処もそう難しいことではありません。しかし故人の持ち物すべてが整理対象になる遺品整理は、一人で行うことが非常に難しく人手が必要になりますし、それに加えて相続に関することや大型家具の捨て方などの専門知識も必要になるのです。
1・2章で述べた通り、家財整理と遺品整理はそれぞれ性質と求められる作業が異なります。体力や時間など様々な理由からご自身のみでの作業に自信がない場合は、業者に依頼するのもおすすめです。特に法的な手続きも求められる遺品整理は専門知識を活かしてサポートしてくれる業者はとても心強い味方となってくれるはずです。
そこで、この章では家財整理を業者に依頼するメリットについてご紹介します。
業者に依頼した場合は作業を全てスタッフに任せられるので、自分一人では手に負えない状況の家財整理でも安心です。
家庭の事情やお宅の広さによって作業内容を細かく微調整する必要がある家財整理。自力で行うにしてもネットの知識と事例だけではどうしても限界がありますし、思わぬトラブルを招く可能性もあります。そのような場合に専門知識をもとに個別でアドバイスをもらえるのはとてもありがたいものです。
ご自身だけで整理を進める場合は「仕事が忙しいので別日にしよう」「休日を家財整理のために空けないといけない」「処分方法のわからない不用品はとりあえず置いておく」といったように日時や作業面で妥協する必要が出てくる場合も多くあります。ですが、業者に依頼する場合、そのような心配は無用です。業者のスタッフは家財整理作業の経験が豊富なため、少人数でもスムーズな作業が可能です。ちょっと無茶な要望であっても対処法を探してくれる場合もあるのが業者の強みでもあります。
前述した通り、家財整理には時に専門的な知識や対応を求められますが、その都度対応してくれる専門家を探さないといけないのは時間と予算の浪費です。
整理業者は作業を円滑に進めるために各専門家と提携している場合が多いので、どのような状況であっても安心して作業を進めることができます。業者に依頼することは実際の整理作業に加えて、こうしたサポート面を任せられるのもメリットの一つです。
ネットで検索すればいくつも業者がヒットしますが、適当に選んでいては自分の思うような作業をしてくれなかったり、悪徳業者をつかんでしまいトラブルに巻き込まれることも考えられます。そこで、この章では業者の選び方についてご紹介します。
仮にも会社の代表として来ているはずのスタッフが不愛想であったり、受け答えがあいまいなど、頼りなさげなのは依頼以前の問題です。電話対応、見積もり対応をしてくれるスタッフの対応から業者の作業レベルは推し量れます。電話やメール、最近はLINEでも問い合わせができる業者が増えていますので、実際に問い合わせてみて接客・作業対応が丁寧かどうか、そして自身と相性が合うかをチェックしましょう。
見積書から得られる情報は多いです。例として「詳細な内訳が記された見積書を作成、質問すれば丁寧に説明してくれる」場合は作業・料金面共に後ろ暗い面がなく、誠実な業者であることが伺えます。理想を叶えてくれる業者を選ぶために見積書を作成してもらうことは価値のあることと言えるでしょう。
特に注意してほしいのは追加請求です。見積もりが安かったので依頼してみたら作業後に追加請求で思わぬ額を請求されてしまった…ということもあるのです。オプション作業の追加や提案は大抵は事前に説明がありますが、悪質な場合は作業後に通告される場合も。そのため、ある程度は自分で見積書を見る能力を培っておく必要があるのです。
家財整理以外の作業もオプションとして対応可能な業者なら、より自身の要望に沿った家財整理が実現できます。3章でも触れましたが、業者には専門業者との繋がりがあります。例えば家財整理をしたあと家を売る予定があるので「ハウスクリーニング」を追加したり、故人に関する役所関係の「手続き代行」をしてもらえたりと、整理作業以外の部分でも頼りになります。業者によってオプションサービスは異なるため、必ずHPなどを確認して下さい。
業者=専門家と結びつけるのは間違いです。単なる不用品回収業者が副業として回収作業を行っている場合や、整理作業にかこつけた悪徳業者など「家財整理・遺品整理」の看板を掲げているだけの業者も多いからです。大切な品の整理を任せるのですから、専門的な知識を持って作業してもらいたいと考えるのは当然のことです。
ではどうやって専門業者を見分けるかといいますと、これは遺品整理士の有資格者が在籍しているかどうかで判断できます。これは一般社団法人遺品整理士認定協会が発行している資格であり、遺品の取り扱いについての専門知識を体得したことを証明するものです。
遺品整理士が在籍している業者であればこちらの状況に合わせて適切に対応してくれるはずです。
前章で紹介した選び方とピッタリ条件があう業者を見つけたとしても、すぐに依頼するのは少しばかり早計だと筆者は思います。もし時間的に余裕があるのなら、もう2~3社から相見積もりを取ることをおすすめします。
当然ながら部屋の間取りや整理する品物の量は各家庭によって異なるため、ネットで見られる相場だけで判断するのは難しいです。そのため相見積もりによって大まかな相場を理解することはより充実した整理を行うための役に立ちます。同時に、少しでもお得に作業してくれる業者を探すことでもあり、4章で紹介した「見積書の丁寧さ」「スタッフの対応」など業者のサービス面を確認する狙いもあります。
相見積もりの最大の狙いは「相場の確認」と「格安で最高のサービスを受けること」です。他社の見積もりより安くサービスをしてくれる業者もありますので上手に見積書を活用しましょう。
複数の業者にアポイントを取り、それぞれの見積もりを待つ……という作業は当然時間がかかります。そのため、部屋の退去日やご自身の都合などで時間がない場合は相見積もりを行うことが難しくなってしまいます。
家財整理という言葉に
1:遺品整理・生前整理・空家整理の3つの作業の総称を指す場合
2:家の財産を処分する作業を指す場合
の2通りの意味がありますが、どちらであっても大切な品物を整理する作業であることには変わりありません。ご自身での整理作業に自信がない場合は業者への依頼を考えることをおすすめします。その際にはしっかりと見積もりを取り、その業者が本当に自分の理想の整理作業を実現してくれるかどうかを見極めてから依頼するように気を付けてください。