デジタル遺品を整理するには?生前にできるトラブル防止策もお役立ちコラム

作業風景

個人情報がたくさん詰まっているパソコンやスマホは、持ち主が亡くなったデジタル遺品として残ります。

パソコンやスマートフォンに保存している写真やメール、オンライン上に残っているソーシャルネットワークサービス(SNS)、ブログなどは他の遺品とは違い、常に他人が手に取ったり、管理したりするものではないため整理せず放置している方も多くいらっしゃいます。しかし、データを削除しておかなければ逝去後に思わぬトラブルが発覚することもあります。

今や社会問題になりつつあるデジタル遺品。 その整理方法を具体的に分かりやすく説明していきます。

この記事を監修した人

監修者
小西 清香氏
整理収納アドバイザー

元汚部屋出身の整理収納アドバイザー。夫の身内6人の看取りや介護をし、生前整理の大切さを痛感。
また看護師時代ICUに勤務し、人の最期もたくさん見てきました。
そんな経験を元に元気なうちから生前整理を!という思いで、片付けと合わせてお伝えしています。

デジタル遺品とは?

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デジタル遺品とは、故人が残したパソコンやスマートフォンなどのデジタル機器やインターネット上に残したデータのことです。スマートフォンの普及により、LINEやフェイスブックなどのSNSやインターネットショッピングを利用する人が高齢者の間でも急激に増えました。そのSNSのアカウントやショッピングの決済情報、口座振替情報などは削除や解約をしなければデータがそのままずっと保存されてしまいます。

多岐にわたるデジタル遺品、その種類をまとめておきます。

 

整理すべきデジタル遺品の種類

 

①パソコン、スマ―トフォン、外付けメモリーなどのデータ

・パソコンやスマートフォン、デジカメの写真、動画など

・・業務用データ(ExcelやWord、ファイルなどのデータ)

・外付けハードディスク、USBメモリー

 

②WEB上のデータ

・LINEやフェイスブックなどのSNSアカウント

・ブログやホームページ

・OutlookやGmailなどのWEBメール

・ブラウザ(カード情報・個人情報が含まれることがある)

 

③その他

・ネットショッピングやネットオークションなどのアカウント

・ネットバンクやネット証券などのオンライン口座

・音楽、動画、書籍などの有料サイトや会員制サイトのアカウント

 

デジタル遺品は老若男女を問わず、パソコンやスマートフォンを日常的に利用する誰もが必ず抱える問題であるため、起こり得るトラブルや整理方法を知っておくことは非常に重要です。

デジタル遺品で起こり得るトラブル

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目には見えない重要な情報が含まれているデジタル遺品。放置したまま亡くなった場合に起こり得るトラブルについてご紹介します。

 

①異性関係や金銭トラブルなどの問題

パソコンやスマートフォンには写真や動画、スケジュールなどのプライべートな情報が保存されています。そのほとんどは趣味や楽しい思い出を収めたものと思いますが、中には家族に知られたくない異性関係や金銭面・対人関係でのトラブルの記録などが見つかることもあります。デジタル遺品の整理では故人が保存しているデータによって家族が傷ついたり、困惑したりするケースが実はとても多いのです。

 

②SNSやブログが悪用される

LINEやフェイスブック、インスタグラムなどのSNS利用者やブログなど、オンライン上で情報を発信している人は数多くいらっしゃいます。世界中の人と気軽に交流が楽しめる反面、アカウントを乗っ取られるというような悪意のある被害が後を絶ちません。自分が亡くなった後もそのまま放置していると、なりすましをした人物に悪用されてネット上に大きな問題を引き起こす可能性もあります。

 

③個人情報やクレジットカード情報の流出

遺族がデータ消去を十分に行わないままデジタル機器を処分してしまうと、連絡先などの個人情報や画像などのプライベートな内容、仕事上の重要な情報が流出してしまったり、カードを悪用されたりする恐れがあります。

 

④デジタル遺産の相続や売却

パソコンの中にはネット銀行の残高や決済、株やFXなどの資産が残されていることがあります。これらはご遺族が相続することになりますが、IDやパスワードが分からなければ出金できません。また、故人しか知らない負債を抱えている場合も同様に相続することになるため、大きなトラブルにつながることが懸念されます。

また、中身を確認したり削除したりせずに売却することも非常に危険です。削除されなかった情報が第三者の手に渡り悪用される可能性もあります。

 

⑤有料サイトの利用料が毎月発生する

有料サイトや会員制サイトを利用している場合、利用料が自動引き落としになっていることがあります。金額は大きくないかもしれませんが、退会手続きを行わない限りいつまでも請求されます。

 

⑥データが取り出せなくなる

最近は会社や会社の取引先、友人の連絡先をスマートフォンやパソコンに保存している方がほとんどのため、パスワードを誰にも知らせずに亡くなってしまった結果、遺族が知らせたい人に連絡できないというケースも多いです。また、クレジットカードや電子マネーの情報も同様です。

今すぐしておきたいデジタル遺品整理

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暮らしが便利になった反面、デジタル機器内に残されたデータの整理は残された遺族に大きな負担をかける恐れがあります。

デジタル遺品のトラブルを回避する一番良い方法は、本人が生前に整理をしておくことです。

今すぐにできる対策をまとめておきますのでぜひ実行しましょう。

 

①普段から整理しておく

他の遺品とは異なり目に見えない情報を含んでいるため、しっかりと管理しておかなければなりません。そのため、ネット上で利用しているサービスとそれらのアカウントやパスワード、自動引き落としなどの重要な情報を表にまとめて保存しておけば、遺族は必要なときすぐに解約などの手続きが行えます。また、不要なデータはこまめに削除しておくと他人の目に触れる心配はありません。

大切なデータやネット銀行などのログインIDとパスワードは家族に事前に知らせておく、エンディングノートに記載しておくなどの整理も忘れず行っておきましょう。エンディングノートとは万が一に備えて自分が死んだ後の希望や、情報を書き留めておく書面を指し、文字通りノートだけではなく、アナログ・デジタル問わず好きな方法で作成できます。

 

②フォルダを分けておく

フォルダを分けることで見られたくないデータは隠し、その逆に大切なデータは目立たせることができます。家族にも見られたくないデータは早目に削除するか、専用のフォルダを作ってパスワード設定をしてロックしておくと良いでしょう。一定期間パソコンを起動しないとファイルが自動的に削除されるソフトのように、デジタル遺品に関する終活ツールを活用するのも有効な手段です。 大切なデータや家族に残したい写真などは機器の故障、紛失の対策として、ネット上で分けるだけではなく、外付けHDDなどオフライン環境に残しておけば安心です。

 

③データ保持期間を知っておく

ローカル上のデータでも、クラウド上のデータでも本体の電源が切れたり、HDDが劣化したりすることですぐに消失する可能性は極めて低いといえます。 しかし、機器の劣化で大切な写真が復元できなくなる危険性もあります。思い出の詰まった大切な写真などは、データではなくプリントして保管しておくものおすすめです。

 

④残したいデータは分かりやすくしておく

データの流出や見られたくないデータの消去にばかり気を取られた結果、誰にもファイルを開くためのパスワードや、その保管場所を伝えていないとサービスの解約や必要なデータの受け渡しに支障が生じます。せっかくの整理作業が無駄にならないよう、フォルダ分けや整理が終わったら解約を依頼したいサービスやデータの場所はエンディングノートなどを活用して分かりやすくまとめておくことも大切です。

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複雑なデジタル遺品整理は業者に相談を!

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残された遺族が故人のデジタル遺品を整理するのは非常に大変な作業です。

故人がインターネット上で会員登録しているものは可能な限り急いでアカウントを削除して悪用されるのを防がなければなりませんし、ネット銀行やネット証券の口座は各窓口へ申請して解約や預金の相続手続きを行う必要があります。

また、パソコン内にはプライベートなのか仕事関連の情報なのか判断がつかないものもあるでしょう。そもそも、どのようなデジタル遺品があるのか分からない、どう扱っていいのか分からないという方が圧倒的に多数を占めると思います。デジタル遺品の処分でお困りの場合は専門業者へ相談するのが得策です。代行依頼になるため料金はかかりますが、他人に知られたくないデータを安全・迅速に処分・整理できます。

 

デジタル遺品整理の費用

デジタル遺品の整理・処分を業者に依頼する場合にかかる費用は、依頼する業務範囲によって異なります。

「ログインパスワードの解除」や「データの消去」など作業ごとに細かく価格設定されていますが、大抵の業者では主な作業をまとめて請け負うセットサービスを展開しているので、問い合わせや見積もりの際に相談して決めるようにしてください。

大多数の業者は依頼者の悩みに真摯に対応してくれますが、中にはデジタル関連の知識がないことを逆手に取り不要な請求をする業者も存在するため、デジタル機器に詳しい親戚や知人がいれば事前に整理すべき内容について聞いておくようにしましょう。

遺品整理業者に任せられること

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遺品整理業者に依頼する場合、どのような作業を実施してもらえるのでしょうか。その作業内容について説明しておきます。

 

①個人情報の整理

スマートフォンやパソコン、タブレット端末などのデジタル機器内にある故人の情報を削除してもらえます。個人情報が利用されているサイトや契約を交わしている内容など、データに関する情報が取得できます。

 

②不要なデータの削除

先述した通り、データやメールの中には遺族が知りたくない情報が含まれていることもあります。故人のプライベートに関することを知りたくないという場合は、遺産相続の権利をもった遺族の要望に沿ってデータをすべて削除してもらえます。安全にデータ削除ができるため、情報漏洩の心配はありません。

 

③デジタル機器の処分と買取

データが入っている機器も処分・整理の対象のため、スマートフォンやパソコンの処分方法も検討する必要があります。デジタル機器の処分には一定の費用がかかりますが優良な業者に依頼すれば安心して任せられるうえ、データを削除したあとはパソコンやタブレットの状態によっては高額で買取してくれる業者もあります。

 

④デジタル機器の初期化

デジタル機器を処分する場合は、購入時の状態に戻すために初期化の作業を行い、すべてのデータを削除する必要があります。もし初期化せず処分してしまうと、故人の情報が悪用されるリスクが高まります。業者は情報が漏洩しないように処分してくれるので安心できます。

 

⑤パスワードの解除

パソコンには本人しか触れないように鍵をかけることができます。故人しか鍵を開けるためのIDやパスワードを知らなくても業者に解除を依頼できます。ただし、解除作業は困難を要するため、事前に業者に依頼の可否を確認しておきましょう。

 

⑥インターネットの決済情報の取得

クレジットカードの利用履歴などから故人の有料サイトの利用状況や、どのような会社と契約しているのか決済情報が分かります。解約手続きを依頼すれば不要な出費を抑えることができます。

まとめ

今後、一層の社会問題化が懸念されるデジタル遺品整理。今回は起こり得る問題やその対策、安全で確実にデジタルデータを処分できる遺品整理業者のサービスについて紹介しました。デジタル遺品整理は形のない遺品を整理しなければならないため、本人以外が整理すべき範囲を見極めることはほぼ不可能に近いかもしれません。亡くなった後で遺族が困らないためにも、生前にIDやパスワード、利用しているサービスなどをしっかりとまとめて整理しておくことが非常に重要なのです。

デジタル遺品は故人のプライバシーに関わる品のため、業者に依頼する場合は整理中のプライバシー保護の徹底・処分する場合は適切な手順を踏んでくれる業者を選ぶ必要があります。安心して任せられる業者を選ぶための基準は以下の記事でまとめていますので、良ければ参考にしてください。

『安心して任せられる優良な遺品整理業者の見つけ方!ポイントを解説!』

この記事を執筆した人

執筆者
株式会社プログレス
編集部 F・N
フリーライター時代に取材した遺品整理の仕事に興味を持ち、プログレスの編集メンバーに。
遺品整理やゴミ屋敷の問題や疑問、関心を先回りして発見し、問題提起するプログレスきってのリサーチャー。
身近に起きる不用品処分や遺品整理の悩みを記事でサポートするをモットーに、プログレス各種サイトのコラムを執筆中。

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