増加するセルフネグレクト!自己診断から原因、治し方まで解説しますお役立ちコラム

作業風景

健やかな心身を保つことができず最悪の場合では死に至ることもあるセルフネグレクト。
自覚がないまま症状が悪化するケースも少なくないため、他人事ではなく誰にでも起こりうることだと認識して気を付けなければいけません。
自分や周囲の人にセルフネグレクトの兆候がないか早期に気付けるように、またセルフネグレクトにならないための対策や最悪の状態に陥らないための治し方を当コラムでご紹介します。

 

セルフネグレクトとは

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「ネグレクト」は、子供や要介護者などの世話を保護者が放棄・放任すること。
対して「セルフネグレクト」は、自分自身を労わらずケアを放棄・放任することをいいます。
認知症やうつ、その他様々な要因から生きる意欲や判断能力の低下を招き、極端に不衛生な住居や不潔な身体状態でも気に留めなくなります。
長く続けば健康に悪影響を及ぼし、最悪の場合には死に至ることもあるのです。

2011年に内閣府が発表した調査結果では、全国で約11,000人ものセルフネグレクト高齢者が確認されました。
しかし確認されている数は氷山の一角だと言われており、高齢者だけでなく若者を含めた現役世代にも増えている実情があります。

*参考サイト
セルフネグレクト状態にある高齢者に関する調査ー幸福度の視点から報告書(内閣府経済社会総合研究所委託事業:2011年)

 

セルフネグレクト診断チェックリスト

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セルフネグレクト状態の人は、意欲や判断能力が低下して無気力になり、それに伴って外見や行動に共通する特徴が現れます。
以下の診断チェックでいくつ当てはまるか確認してみましょう。

 

セルフネグレクト診断チェックリスト

□一人暮らし(または一人で過ごすことが多い)
□家族や友人、恋人がいない(または離れて暮らしている)
□入浴や洗顔、歯磨きが億劫で何日もさぼってしまう
□服装や髪形などの身だしなみに無頓着になった
□栄養バランスを考えずレトルトや出前で食事を済ませる(または食べない)
□掃除や片付け、ゴミ出しが面倒で部屋が散らかりゴミも溜まっている
□出掛けるのが億劫で用事があってもやらずに家でゴロゴロしている
□昼夜逆転、ずっと寝ているなど生活リズムが乱れている
□病気やけがなど体調が悪くても病院に行かない(または指示通りに薬を服用しない)
□家族や知人から電話やメールが来ても放置してしまう
□お金の管理ができない(極端な散財または蓄財、公共料金や家賃を滞納するなど)
□他人との接触を敬遠する(介護士、役所職員など)

・1~4個当てはまる方

正常の範囲内です。該当項目が増えないよう定期的な再チェックをおすすめします。

・5~7個当てはまる方

要注意です。とくに生活リズムや食事面を見直し、健康的な生活を心掛けましょう。

・8個以上当てはまる方

家族や友人など頼れる人への相談、または地域包括センターへの相談を推奨します。
疾患や認知症がある場合は医師に相談しましょう。

 

セルフネグレクトの原因

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認知症・精神疾患など

認知症で片付けができない、盗難被害妄想、ゴミを拾ってくるなどの症状が出る人も。
重大な精神的ストレスからうつや統合失調症などの精神疾患や依存症を患い、無気力、幻聴、幻覚を発症、引きこもりとなりセルフネグレクトに陥ることもあります。

 

社会的孤立

「配偶者との死別や離婚で単身暮らし」「退職・失業」「他者との交流が苦手」などの理由から社会的に孤立する人は少なくありません。
社会とのつながりが希薄になると身の回りを整えることへの意識が薄れ、そのままセルフネグレクトに陥ることも。
この場合、自身がセルフネグレクト状態であると自覚しにくいうえに、他者から気付いてもらえる機会もほとんどないため悪化していく傾向があります。

 

心身機能の低下

加齢、病気、けがなどにより心身機能が低下すると、「片付けたくても重い物が持てない」「目が悪くて家事が疎かに」など、満足な生活ができず意欲も低下してしまうようです。
また、どれを捨てれば良いか判断できない、そもそも散らかっているかがわからない、といったことも起こります。

 

貧困

高齢者の場合、貯金がなく年金受給だけでは生活が立ち行かない、認知症などの影響でお金の管理ができない、といった要因が挙げられます。
若年層の場合は、賃金カットや非正規雇用の増加でそもそも貧困化が進んでいるところに、失業や離婚、病気、けがなどが追い打ちに。
食費や生活費を切り詰めると栄養不良などで体調を崩しやすくなりますが、経済的理由で医療保険に未加入であれば医療費負担が全額になるため受診をためらい、ますます健康を害する、満足に働けなくなる、さらに貧困化する、という悪循環に。

 

他者からのいじめ・虐待

家族や同僚、同級生からのいじめや虐待によって精神的・肉体的苦痛を味わい「生きている意味がない」「自分はいらない存在」などと思い込むように。
自分自身を労わることができなくなり、酷い場合では死を望むようになります。

 

原因不明

内閣府が実施した調査によると、セルフネグレクトになったきっかけや理由について「覚えていない・わからない」(21.5%)「特段、きっかけはない」(15.9%)との回答もあり、本人に自覚がないまま症状が進行するケースも多いようです。

*参考サイト
【セルフネグレクト状態にある高齢者に関する調査ー幸福度の視点から報告書(内閣府経済社会総合研究所委託事業:2011年)】

 

 

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セルフネグレクトの治し方

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治療する

病気や精神疾患がある、またはけがなどで体が不自由な状態であれば医師に相談し、適切な治療を受けましょう。

 

第三者を頼る

・地域包括支援センター セルフネグレクト相談窓口
地域包括支援センターでは、住民の健康保持や生活の安全のために必要な支援や援助を行っています。
誰でも無料で利用でき、相談すれば必要なサービスへつないでくれます。
インターネットで「地域名(相談者の住まい)」「地域包括支援センター」と入力すれば最寄りの支援センターを検索できますのでぜひ利用してください。

 

・介護サービスの利用
要介護と認定されれば訪問介護やデイサービスなど様々なサービスが受けられます。
65歳以上で介護や支援が必要となった方や、40~64歳の方で医療保険に加入していて、特定疾患が原因で介護や支援が必要になった場合に申請できます。
お住まいの市区町村の窓口(市役所、区役所、地域包括支援センターなど)に相談しましょう。

 

・家族や友人を頼る
信頼できる家族や友人がいるなら相談しましょう。
片付けなどを手伝ってもらう以外にも、話すことでストレスが緩和される、外見に気を使うようになるなど回復への助けにもなります。

 

・民間サービスの利用
疾患などがなく行政サービスの対象でもないが、自分で日常的な家事や片付けを行うことが難しい場合には、民間サービスの利用を検討しましょう。
ゴミ屋敷片付けサービスを利用すれば短期間で溜まったゴミや不用品を片付けてくれますし、掃除や片付け方法のアドバイスがもらえることも。
他にもハウスクリーニングや家事代行、食事の宅配など、多様なサービスがあるので自分のニーズにあうものを探してみましょう。

 

環境を変える

いじめや過酷な労働環境などが要因なら、転校や転職などで環境を変えることも大切です。
心身に甚大な障害が出てしまった後では、元の健康な状態にまで回復することは難しくなります。
環境を変えることは「逃げ」ではなく、「自分が活躍できる場所、自分らしくいられる場所を選んでいくこと」だと筆者は思います。

 

セルフネグレクトにならない・させないための予防対策

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セルフネグレクトの予防には「セルフネグレクトについて正しく知る」「孤立しない・させない」「兆候に気付いたら即対応」の3つが重要です。

セルフネグレクトについて正しく知る

正しい知識がなければ、セルフネグレクト状態の人がただの怠け者のように見えてしまい、症状が悪化するまで気付かないことも。

 

孤立しない・させない

一人になりすぎないよう社会とのつながりを持つ、また身近な人を一人にさせないように意識することが大切。

 

兆候に気づいたらすぐに対応する

自身に兆候があれば、頼れる人に相談したり行政サービスや民間サービスの利用を。
身近な人に兆候があれば、責めたり否定したりせずにまずは話しを聞いてみる、適切な治療を促す、市区町村の窓口で相談するなどしてください。

 

まとめ

現代日本では、高齢者だけでなく若者や現役世代でもセルフネグレクトが増加していると言われ、深刻化する前に早期発見できる体制の確立や救済・支援制度の充実といった法整備が求められています。
しかし支援制度が充実したとしても、受ける側がその存在を知らない、または利用しなければ意味がありません。
自治体の行政サービスは、住民が等しく受ける権利を持ちますので遠慮せずどんどん活用してください。

自分自身や身近な人がセルフネグレクトに陥らないためにも定期的に生活や行動を見直し、すでにセルフネグレクトの状態であるならば正しく対処して治しましょう。
このコラムがそのお役に立てれば幸いです。

*関連コラム
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この記事を執筆した人

執筆者
株式会社プログレス
編集部 S・A
祖父の遺品整理を行った経験から生前整理・遺品整理の重要性を実感。
より専門的なことを学び、困っている人の助けになりたいとプログレスへ入社。
「知識のない人にもわかりやすく伝える」を信条にプログレス各種サイトのコラムの執筆を担当。
持ち前の独特の感性で言葉を綴る編集部きっての女傑ライター。

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