20代で終活は早い?若いうちに準備をするのはなぜ重要なのかお役立ちコラム

作業風景

近年、「終活」という言葉をよく耳にするようになりました。

人生の後期・終末期を迎えた年配者が行うものというイメージがあるかもしれませんが、実は20代から終活を始めている方もいらっしゃいます。

今回は、20代から始める終活の内容やそのメリットについて考えていきたいと思います。

この記事を監修した人

監修者
小西 清香氏
整理収納アドバイザー

元汚部屋出身の整理収納アドバイザー。夫の身内6人の看取りや介護をし、生前整理の大切さを痛感。
また看護師時代ICUに勤務し、人の最期もたくさん見てきました。
そんな経験を元に元気なうちから生前整理を!という思いで、片付けと合わせてお伝えしています。

終活とは?

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終活とは、人生の終わりに向けてさまざまな準備をしておくことです。例えば、自分が死んだ際のお葬式やお墓のこと、財産や相続などについて決めておきます。

終活に対して「気が早い」「死を意識すると気が滅入る」といったネガティブなイメージを持つ方もいるかもしれませんが、そんなことは決してありません。自分らしく人生を終えるために周りや社会に流されず、自分にとって本当に必要なことや物だけに囲まれて充実した人生を過ごせるように準備をするのが終活の目的です。もちろん、自分らしい終活を実践することによって他人に迷惑を掛けるようなことがあってはなりませんが、終活とは、生き方を決めたり生きがいを持ったりする、とても前向きな行為なのです。

20代で終活は早い?

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終活は年配者が行うものというイメージを抱いている方は多いのではないでしょうか。しかし、先ほども述べたように、終活とは自分の人生の最期について考え、今後の人生をより良くするための活動です。

実際、20~30代の若い世代の終活に対する意識も変わってきています。2019年に楽天インサイト株式会社が行った調査では『終活をする意向がありますか』という問いに対して20代で37.6%(対前年比+6.6%)、30代で46%(対前年比+9.7%)もの人が「はい」と回答し、関心が高まっていることが伺えます。

また『終活をする(したい)理由』については20~30代の男女ともに「家族に迷惑をかけたくないから」が最も多く、女性の20~30代では「病気やケガ、介護生活で寝たきりになった場合に備えるため」「自分の人生の終わり方は自分で決めたいから」という意見も多くなっています。(参考:楽天インサイト株式会社「終活に関する調査」2019年

 

20代から自分の死期を考えるのは早すぎると思うかもしれませんが、人間は生きている限り、必ず死が訪れます。それは明日かもしれないし、10年後、50年後かもしれません。病気やケガ、または事故などでいつ亡くなるか誰にも分からないのです。

自分の人生を見つめ直すことに早い遅いという線引きは不要で、むしろ早いうちから取り組んで考えておくほうが良いかもしれません。

なぜなら、終活を行うことで自分の人生にしっかりと向き合っていけるからです。先の人生を考える余裕が生まれるので人生の目標を見つけやすくなり、実践に移せます。

終活には未来の人生を設計する要素が備わっているため、20~30代という若い世代にこそ取り組んでもらいたい活動です。

20代の終活でやるべきこと

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①ライフプランの設定

ライフプランは規模・プランニングの精度の違いはあっても、ほとんどの方が胸の内に秘めておられるかと思います。仕事・趣味・恋愛と多くの要素が人生に絡んでくる忙しい20代だからこそ、一度、充実した人生のために綿密に内容を詰めてみてはいかがでしょうか。

一例として「何を」「いつまでに」「どうやって」「それらを実現するために必要なものなどの要素は?」といった事柄をご自身のライフプランと照らし合わせてリストアップしてみるのがおすすめですが、このご自身がこれからどう生きるかを考える作業自体も「終活」といえます。

これらの一連の作業を通して、ご自身の目標を見据えてこれからの人生を考えることこそが1章で述べた通り、生き方を決めたり生きがいを持ったりする、終活というとても前向きな行為なのです。

では、具体的にはどのようなことをすれば良いのでしょうか。

 

②生前整理

遺品整理をするときに遺族が最も苦労するのが物の整理です。

若いうちに生前整理を始めると暮らしに本当に必要な物を見極める力を養うことができます。例えば冬物のコート。安価な品物を色違いで複数枚購入して使い分けるよりも、値が少し張ってでも高品質な品物を一着持っていれば半永久的に着用することができます。物を選ぶ行為は生き方そのものにつながります。普段から必要な物しか購入しない、物を溜め込まないという生活習慣を身に付けておくと、万一自分の身になにかあったときでも家族に大きな負担を掛ける恐れはありません。身軽に暮らすことも立派な終活なのです。

 

③エンディングノートを作成する

お葬式はこうしてほしいとか、これは家族に残したい、というようにエンディングノートに思いを書き綴っておくことも大切です。20代などの若いうちから準備をする場合は自分が死んだあとの希望以外に「もう一度したいこと」「会っておきたい人」など、未来へつながることも書き留めておくと良いでしょう。自分の気持ちと正直に向き合えますし、これからどう生きていきたいかを考えることができるからです。

また、エンディングノートには決まった形式が無く、自由な内容を書き留めることができるのが特徴のひとつです。テンプレートの印刷されているエンディングノートを使うのも良いですし、一般的なノートやお気に入りの便箋、Wordなどに記入する方もいらっしゃいます。ご自身の性格や書きたい事に合わせて、スタイルを選んでみましょう。一点気を付けたいのは、エンディングノートには記載条件がない分、遺言書のような法的効力は持っていないということです。ただし遺言書の内容を補完することは可能な場合もありますので、まずは自由に要望を書き記しましょう。

書いておくべきこと

・医療の希望

・友人や知人の連絡先

・保有している銀行口座、クレジットカードの情報

・加入している保険や会員について

・ペットについて(かかりつけの病院など)

 

④延命処置・ドナーの希望を確認

先述した事柄に加え、延命処置の希望や、ドナーカードと併せて臓器提供の意思表示を書き残すこともエンディングノートの活用法の一つです。

例えば何らかの事故や病気をし、延命治療を受けるとなると、決して少なくない金額が必要になります。加えて、食事やお風呂の介助、入院の手続きや備品の準備にはご家族の協力も必要になってくるでしょう。考えたくはないですが、もしご自身が当事者になった場合に備えて、家族や友人の負担を少しでも軽くするため、延命処置や臓器提供について話し合う機会をつくってみるのも良いでしょう。

ご自身の口で伝えられなくなる事態を想定しておくことで安心して日常生活を送ることができるため、ご自身の意思を今一度確認、じっくり考慮して結論を出しておくのがおすすめです。 

 

⑤パソコンやスマートフォンに含まれる情報の整理

近年、遺品整理で大きな問題になっているのがパソコンやスマートフォンに保管されている情報の扱いです。

亡くなった後でも利用していたSNSのデータや情報はずっと閲覧できます。そのまま放置していると赤の他人がなりすまして悪用する恐れがあるだけでなく、SNSでつながっている人たちに大きな被害や損害を与えかねません。そのような事例も多発していますので他人事と思わず、SNSやインターネットバンク、その他の課金サービスなどのアカウント・ID・パスワードはその都度整理するようにしましょう。

また、サブスクなど月額制のサービスを利用している場合も同様です。残された方に解約の手間をかける事態を防ぐだけではなく、リストアップする中で活用頻度が下がっているものを洗い出して事前に解約すれば、節約もできます。

 

⑥お金の計算

終活・生前整理におけるお金の計算といわれると、所有している財産のリスト化や不動産の名義変更などを行う作業を指す「財産整理」をイメージされる方も多いかもしれませんが、20代の時点で終活を行う場合は「大切な人に残す」ことについて考えるよりも「これからの自分のための試算」を重視して行うのがおすすめです。

すなわち、結婚・マイホームを持つ・夢を実現するための資金など、これから先に起こるライフイベントを参考に、いつ、どのくらいのお金が必要になるかを計算して、貯金や生活を見直す機会にすることです。金銭面が原因の漠然とした将来への不安や、浪費癖を解消できるかもしれません。

このように、整理作業を通してこれからのご自身の人生を見直し、人生において本当に大切なものを探す作業こそが、20代の時点で終活を始めるメリットといえます。次章では、これらの作業を通して得られるメリットについてより詳しく解説します。

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20代で終活を始める4つのメリット

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①物を減らすと暮らしやすくなる

一度に処分するのは大変ですが、日頃から整理整頓を心掛けておくと無理なく進められます。

物を捨てるという行為には判断力と体力が必要になります。なので、それらが備わっている20代の間に物の整理を始めると高齢期に行うよりもスムーズに進めることができます。そうして若いうちに不要な物を減らすことで、将来の自分はもちろん、家族や親族の遺品整理を楽にしてあげられます。

物を整理したあとに残るのは「自分にとって必要な物」だけです。不要な物が周りにないため、毎日を気持ち良く過ごせます。

終活といえば将来を見据えた行動と思う方も多いですが、未来だけではなく現在の暮らしを快適にする側面も同時に持ち合わせているのです。

 

②なにかあっても不安が軽減できる

例えば事故による急死や脳死と診断された場合、家族や親族、友人の援助は欠かせません。

そのようなときに、希望を書き記したエンディングノートや保険証書の保管場所などを家族がすぐに見つけられれば、家族や親族の負担は幾分か軽減されます。

さらに、部屋の中やパソコンのデータに見られたくない物がある、というような不安も終活を行っていれば軽減できるので安心です。

 

③人生の目標・計画を設定できる

「もしものとき」や「老後」について考えるのが終活であるならば、当然それまでに辿るであろう自分の人生や将来についても考えることになります。

20代という早い段階で終活について考えると、自分の人生や将来についてしっかりと向き合うことができるので、理想とする人生を歩むための明確な目標設定を立てることができます。

 

④両親の終活にも目を向けられる

ご自身が20代であればご両親もまだまだ元気に活動されている場合が多く、終活といわれてもピンと来ない方も多いかもしれませんが、ご自身の人生と向き合う中で両親が元気なうちにやっておきたいことを発見したり、両親が終活を始める場合にサポートできたりと、巡り巡って両親の終活を考える機会にもなります。

今日からすぐに始められる終活

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年配者と積極的に関わることも若いうちから始める終活ではとても意味があります。20~30代は仕事や恋愛、結婚に子育てなどに時間を割く時期なので、終活について考えながら暮らすのは正直難しいと思います。

目の前のことに精一杯で、人生の最期は他人事のように感じるはずです。しかし、日々の暮らしの中でそういうことを身近に考えられる時間を得ることはそう難しくありません。

自分の親や祖父母もそうですが、60~70代の人たちがどのような生活をしているか、どんな気持ちで日々を暮らし、何に困っているのか。まずはそれらを知ることが大切です。誰でも死なない限り必ずその年齢になるのですから、年配者の思いを知ることは生き方の参考になるはずです。そのためにも、地域で開催しているシニア向けの講演会やイベントに参加してみるのは良い方法だと思います。その年代の方々と触れ合うことで情報収集でき、今後の人生について考えるきっかけになります。このような行動も若いからこそできる終活といえるのではないでしょうか。

第3章「20代の終活でやるべきこと」でご紹介した「ライフプランの設定」「生前整理」「エンディングノートを作成する」「延命処置・ドナーの希望を確認」「パソコンやスマートフォンに含まれる情報の整理」「お金の計算」も一気に進めるのが難しいようであれば1項目ずつ取り組んでいくのも良いでしょう。

就職、転職、結婚、子供の誕生、別離など20代以降からは様々な人生のターニングポイントが訪れます。その都度、大切な物の優先順位も変わってくるはずです。数年ごとや自身のイベント(転職、結婚、出産など)ごとに終活の見直しを行えば、より充実した人生を送ることができるのではないでしょうか。

まとめ

20代で終活を始めるのは早すぎるのでしょうか。いいえ、決してそのようなことはありません。終活とは自分の人生を見つめ直すこと。つまり、早く始めれば始めるほど、将来の目標や理想の人生の実現に向けて行動を起こしやすくなります。

ある調査結果によると20~30代の約6割が終活や生前整理に興味があると答えています。若い世代の人たちは終活を死の準備ではなく、自分らしく生きるためのポジティブな行動として捉えているのかもしれません。

今回は20代で始める終活の内容やメリットについて紹介しましたが、進め方や整理方法について悩む場合は終活を知りつくした遺品整理業者や遺品整理士、整理収納アドバイザーに相談するのがおすすめです。時間を有効的に使えますし、充実度の高い終活ができるはずです。

当コラムをきっかけに幅広い世代の方が終活を自分事として考えてくだされば幸いです。

生前整理の具体的なやり方を知りたい人は次のコラムもおすすめです!

『終活でやることリストを公開!悔いのない生前整理を始めよう』

この記事を執筆した人

執筆者
株式会社プログレス
編集部 F・N
フリーライター時代に取材した遺品整理の仕事に興味を持ち、プログレスの編集メンバーに。
遺品整理やゴミ屋敷の問題や疑問、関心を先回りして発見し、問題提起するプログレスきってのリサーチャー。
身近に起きる不用品処分や遺品整理の悩みを記事でサポートするをモットーに、プログレス各種サイトのコラムを執筆中。

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