遺品整理をしていると不用な物が出てくるため、遺品整理業者と不用品回収業者のどちらに依頼するべきなのかと悩んでしまう方は多いのではないでしょうか。
遺品整理業者と不用品回収業者が得意としているサービスは全く異なります。
今回は遺品整理と不用品回収の違い、そして状況や用途に合わせて業者を選ぶ方法をご紹介させていただきます。
二つの違いを知るためには遺品整理と不用品回収の内容について知る必要があります。まず遺品整理について紹介します。
遺品整理とは故人の愛用品を遺族が片付ける作業です。そのため遺品と向き合い、必要な物と不必要な物を一つひとつ分別する必要があります。一見ガラクタに思える物でも故人が愛用していた物である可能性があるため、処分をする際には適切な判断が求められます。
また、故人が賃貸物件に住んでいた場合は遺品整理以外にも契約解除や水道、ガスの解約手続きなどの作業が遺族に求められるため、部屋の片付けが思うように進行しない場合があります。
そんな上記の状況を把握して、ご遺族に寄り添いながら遺品の整理作業を行ってくれるのが遺品整理業者です。遺品整理業者では以下のような業務を引き受けてくれます。
・遺品の仕分け・処分
・遺品の買取査定
・処分する遺品の供養・お焚き上げ
このようにまとめると、遺品整理に関する全ての作業に対応してくれることが分かると思います。そのため、遺品整理において何から手を付けて良いのか分からないという方には大変おすすめです。
また、遺品整理業者の中には遺品整理士の資格を持った業者もいます。そのような業者はあらかじめ遺族へヒアリングを行い、遺族の精神状況も考慮したうえで作業に入ってくれます。遺品整理作業中に故人の思い出などが呼び起こされ、気持ちが高ぶってしまった場合でも適切な対応をしてくれますので、肉体的なサポートだけでなく精神的なサポートも対応してくれることが遺品整理業者の特徴と言えるでしょう。
では、不用品回収業者が行う作業とはどのようなものなのでしょうか。
不用品回収とは家で不用になった品物を回収する作業です。遺品整理業者とは違い処分する品を引き取ることに注力しているため、搬出の際には品物の解体も行ってくれます。
不用品回収業者は一人では持ち運べない大型家具や家電の搬出・処分を代行してくれます。大量の不用品もトラックに積み込んで回収してくれるため、物を片付けるための利便性にとても優れています。しかし、事前に申告しないかぎり不用品回収業者に依頼した品物は全て不用品だと判断されるため、遺品整理業者のように精神的なサポートや品物への敬意などは期待できません。
不用品回収業者は主に以下の業務を行ってくれます。
・不用品の搬出・処分
・不用品の買取査定
搬出の負担軽減や買取査定で処分費用を抑えることができるなど、自治体の粗大ゴミ回収作業にはないサービスを受けることができます。
また、業者によっては回収後にお部屋の清掃を行ってくれたり、壁紙の張り替えなどにも対応してくれたりする場合もあります。
このように二つの業者を比較してみると、不用品回収業者は不用品の片付けを代行してくれる業者、遺品整理業者は遺品整理に関わる全てをサポートしてくれる業者であることが分かると思います。
そのため、気持ちを整理しながら遺品を処分したい場合は遺品整理業者に、日常生活で発生した不用品を処分したい場合は不用品回収業者に依頼するのが適切と言えるでしょう。
また、遺品整理業者の中には特殊清掃や不動産解約手続きサポートなどのサービスを行っている業者もありますので、遺品整理前後の問題にも相談に応じてくれます。遺品整理について事前準備を全くしていなかった場合は遺品整理業者に依頼すると安心です。
遺族で遺品整理を進め終わり、不用品だけ残ってしまった場合は不用品回収業者を利用しても問題ありません。
遺品整理中である旨を伝えれば、大切な人を失った気持ちに寄り添いながら回収してもらえる場合もあります。
遺品整理業者や不用品回収業者の中には事前に知らされていない料金を作業後に請求してくるような悪徳業者が存在しています。
そのため目的に適した業者を見つけた場合は、その業者について事業形態やサービス内容を詳しく下調べをしておかなければいけません。
悪徳業者を利用すると、遺品整理や不用品回収を雑に進められるだけではなく、料金の高額請求や家内の金品を盗むなど様々なトラブルに巻き込まれる危険性があります。依頼したい業者のサービスについて不明瞭な点が無いか、見積もり時や申し込み時にしっかりと質問をして不明点を解消しておきましょう。
悪徳業者を見極める方法として、以下のようなポイントが挙げられます。
悪徳業者の多くは訪問見積もりをしないことで、作業後に「予想よりも品物が多かった」などと言いながら様々な追加料金を加えて高額請求を行います。訪問見積もりに対応してない業者は利用しないほうが良いでしょう。また、具体的な料金を算出してくれない業者も注意です。
明瞭な見積書を作ってしまうと作業後に追加料金の請求が行えないため、悪徳業者は不明瞭な見積書を提示してくることが多いです。見積書が不明瞭な内容である場合は質問をし、納得のいく回答を貰えなかった場合は利用を見送りましょう。
家庭から出た不用品を回収するには一般廃棄物収集運搬許可が必要です。そのため、その許可を持たないで営業をしている業者は違法業者と判断したほうが良いでしょう。業者のホームページを調べれば確認ができますので、必ず目を通しておくようにしましょう。
安全性やサービス内容を比較してもなかなか依頼する業者を決められない場合は、業者同士の相見積もりがおすすめです。
相見積もりとは仮の見積もりを複数の業者に出してもらうことで、金額はもちろん見積書の内容や接客対応などあらゆる点を比較して、依頼する業者を決めることです。
相見積もりを使えば、依頼を迷っている複数の業者の長所短所の把握ができ、自分にはどの業者が合っているかが分かりやすくなります。中には相見積もりをしていると伝えれば、他業者よりも作業費用を安くするサービスを導入している業者もあるので、出費を抑えることも可能です。
また、相見積もりは悪徳業者の利用を防ぐ対策にもなります。
このように、相見積もりをすれば自分自身の適する業者が見つかるだけでなく、金額も安くでき、トラブル防止になるのです。
今回は遺品整理と不用品回収の違いについて紹介してきました。不用品回収業者も遺品整理業者もいらなくなった物を回収してくれる業者ではありますが、作業内容やサポートが大きく異なります。そのため、ご自身が不用品を整理する理由に合った業者を選ぶと良いでしょう。
サービス内容や料金も依頼する業者を選ぶ重要なポイントですが、見積もりを通してスタッフの笑顔、話し方、態度などを観察し、気持ちの良い整理や回収サービスを提供してくれそうな業者を選んでみてください。