この度、弊社代表の奥村拓による著書『身近な人が亡くなった後の遺品整理』(自由国民社)が出版されました。
数々の遺品整理の現場に携わってきた経験を基に、「充実した遺品整理を行うために本当に必要なこと」をまとめて紹介しております。
遺品整理という言葉は広く認知される一方で、実際に行う内容についてはあまり知られておりません。品物の片付けや処分をする作業と捉えている方も中にはいらっしゃいますが、そうではありません。遺品整理は不用品のように物を処分し回収してもらう作業ではなく、故人の愛用品を遺族が「供養」の思いを込めて整理することなのです。
遺品整理はご家庭のご事情によって行う内容が異なります。例えば、故人が賃貸住宅にお住まいであったならば退去日を考慮しなければならず、遠方にお住まいだった場合は整理時間の確保ができないという悩みにご遺族は直面します。また、故人が遺書やエンディングノートを残していないために遺品の処分判断がつかず事務的に作業を進めてしまい、「大切な人の思い出の品をないがしろに扱ってしまった」という後悔の念に苛まれるご遺族も見受けられます。
生活用品や車以外にも家や土地などの不動産、さらに、現在ではスマートフォンやパソコンに蓄積されている情報、いわゆる「デジタル遺産」も流出を防ぐために整理が不可欠です。また、遺産分割や相続税の申告手続きのように専門知識を要する作業が必要な場合もあり、遺品を一つずつ整理していく中で遺族は膨大かつ多種多様な遺品を整理しなければならない現実を痛感し、ほとんどの方が「どうすればいいのか」と途方に暮れます。遺品整理は引越しの3倍は大変だと言われるほど、時間と労力、そして費用も大きくかかる作業なのです。
しかし、遺品整理はご遺族が故人との思い出に向き合い、悲しみを乗り越えるために心を整理する大切な時間でもあります。ご遺族の負担を軽減するためにも効率的に整理を進めるための心得と方法をお伝えできればと思い続けておりましたが、この度ついに一冊の本にまとめることができました。遺品買取の重要性や業者選定時のポイント、処分に困る品物の扱いなど、整理を始める前に知っておいていただきたい情報を業者の視点から書き記しております。また、読み物としても十分お楽しみいただける内容ですので、遺品整理を始める方以外の皆様にもご一読いただければと思います。
遺品整理は誰にでも起こり得る身近な問題です。一人でも多くの方が自分事として遺品整理や生前整理について考え、前向きな気持ちで悔いなく整理に取り組んでいただけますと幸いです。