お役立ちコラム 終活のための「家じまい」とは?具体的な手順や注意点をまとめました

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終活のための「家じまい」とは?具体的な手順や注意点をまとめました

高齢化が進む中で早いうちから生前整理や終活を行う人が増えてきました。その中で見落とされがちなのが「家じまい」です。最近少しずつ聞かれるようになってきた言葉なので、よく知らないという人も多いでしょう。このコラムでは「家じまい」について詳しくご説明するとともに、どのように行うのか具体的な手順などをご紹介します。

 

「家じまい」って何?

家、電卓、虫眼鏡、家族

「家じまい」とは自分が所有する家を子供・孫の世代へと引き継いでいくのではなく、自分の代で手放し処分することをいいます。この章では近年「家じまい」をする人が増えてきた理由について詳しくみていきます。
 

理由1:少子化

少子化が進み、そもそも家を引き継ぐ子供がいないというケースが増えています。自分たちの亡き後、家を空き家にしても管理する人がいないため「家じまい」されるのです。
 

理由2:核家族化

ひと昔前のように大家族で暮らすケースは減りました。核家族化が進み、子供家族も別の場所に住んでいるケースが増えました。このような場合、自分たちが住んでいる家の管理を任せることは、子供たちに余分な負担をかけることにもなりかねません。遺産として相続してもメンテナンスの手間や管理費用がかかり、負の遺産になるかもしれないのです。そうしないために「家じまい」という選択をされています。
 

理由3:高齢化

WHOが発表した2021年版の世界保健統計(World Health Statistics)(統計数は2019年時点のもの)によると日本人の平均寿命は世界トップで84.3歳です。男女別なら日本女性は86.9歳で世界1位、日本男性は81.5歳で世界2位となっています。
このように高齢化が進む日本ですが、最期の時を迎えるまで病気も無く、元気なままでいられる人は多くありません。実際には健康寿命(制限なく日常生活を送れる期間)は平均寿命より約10年短いとされています。その分、医療費や介護費など老後に必要なお金も増えています。これらの費用を捻出するために「家じまい」を行うのです。
また、古い家はバリアフリーでないことが多く、老後を安全に暮らすには不安があります。2020年の消費者庁の発表によると、高齢者の転倒事故が最も多く発生しているのが「自宅」であり、全体の48%です。こういったことからも高齢者が住みやすい家に引越したり、老人ホームへ移る選択をする人も増えています。
 
主な理由を3つご紹介しましたが「残される人たちに迷惑を掛けたくない」という思いや、「自分たちの老後を快適に過ごすため」という部分が大きいようです。

 

家じまいする前に考えておくこと

マンション、一軒家などいろいろな物件

家じまいをすると決めたら、まず考えておかなければいけないのが新しく住む場所や環境です。自分がどんな生活をしたいのかで選択は変わってきます。どのような選択肢があるのか、またそれぞれの良さをご紹介します。
 

賃貸マンション

一戸建て住まいの場合、子供が独立し家を出てしまったら、夫婦二人では広すぎて掃除や手入れが大変になる可能性があります。また二階への移動など段差が多く、高齢になるほど暮らしにくくなるかもしれません。夫婦二人や自分一人で住むのなら、手頃な広さの賃貸マンションに引越すというのもいいでしょう。マンションにもよりますが、バリアフリー設計やエレベーターが完備されており、駅やスーパーなども近いところなら今よりも便利になるでしょう。
 

子供家族との同居・二世帯住宅

子供家族との同居を考えるなら二世帯住宅という方法があります。完全な同居より二世帯住宅のほうが互いに気を遣わなくていいようです。けれど何かあった場合には助け合えるので安心です。また子供が自分だけで家を建てる場合よりも資金面を折半することができるので安く済みます。
ただし、二世帯住宅を建てる場合には二世帯でどこまで共有するのかなど、事前にしっかりと話し合っておいたほうがいいでしょう。
 

地方へ移住

田舎暮らしを夢見て引退後は地方へ移住する人も増えています。田舎暮らしを機に農業を始める方も多いようです。地方では住み手のいない古民家を安く買えたり、自治体によっては移住者の支援を行っていたりするところもあります。田舎暮らしは都会と比べると移動や買い物など不便なことも多くなりますが、その分都会では味わえない自然環境やご近所様との交流があり、そこが魅力といえるでしょう。
 

介護付き住宅・老人ホーム

近頃増えているのが高齢者向けの介護付き住宅やマンション、老人ホームです。介護資格を持つスタッフが常駐してくれていたり、筋力トレーニングできる施設の併設や、中には温泉に入れる浴場があったりするようなところもあります。
入居前に見学できるところが多いので、実際に足を運んでみて様々な施設を比較し自分に合ったところを探すといいでしょう。

 

家じまいの手順

解体工事

いざ、家じまいを行うとなると「何から手を付けたら良いのか分からない」という人が多いのではないでしょうか。この章では家じまいのやり方をご説明します。
 

1:家の中の片付け

まずは家の中の物を整理し、不要な物は売却や処分をしましょう。どこへ住まいを移すにしても、使っていない物はこの際手放しましょう。家じまいは自分たちの老後のため、また死後残された遺族のために行うものです。生前整理をするつもりで行うといいでしょう。
 
不用品の回収を依頼する場合、主に4つの選択肢があります。
 

質屋を利用する

歴史も古く、長年培われた経験値から家財の価値をしっかりと見極めてくれる信頼性があります。「質」は金融システムで、家財を担保として現金を借入します。そのため「流出期限」と呼ばれる期限内に借入額と利息分を返済すれば家財を買い戻すこともできます。有名ブランド品や宝飾品、貴金属などを多く扱っています。
 

買取業者に依頼する

買取業者ごとに専門とするジャンルがあります。専門で扱う家財を買い取り、メンテナンスや修理を行い再販売しています。こちらが売りたい品と業者が買いたい物が合致している場合、高価買取してもらえる可能性が高くなります。どのようなジャンルが専門なのか、事前にホームページなどを見て確認しておきましょう。
 

リサイクル業者・リサイクルショップを利用する

幅広いジャンルの買取を行っています。質屋や専門買取業者では買い取ってもらえなかった物も買取できる可能性があります。しかし店舗展開している場合は家賃などの固定費がかかってしまうため、その分買取価格は低めになる傾向があります。また幅広いジャンルを扱うため、骨董品や絵画など専門的な品を適切に査定できるかは担当するスタッフによるところが大きいでしょう。
 

ネットオークション・フリマアプリを利用する

最も気軽に行えるのがネットオークションやフリーマーケットアプリです。買取業者やリサイクルショップで買取できなかった品物でもこれらを利用した場合、売れることがあります。また自分で値段を決めることができるので一般的な価格よりも高値で売れる可能性もあります。
デメリットとしては出品から売却まで時間がかかってしまう場合が多く「売れるまでは片付かない」また「品物の写真撮影や説明文の作成、梱包発送など手間がかかる」「ブランド品などの真贋の証明が難しい」「購入者とトラブルになった場合、自分で対処する必要がある」などが挙げられます。
 

2:家を売却するor家を解体する

家の中の物を整理したら、次は家屋をどのように処分するか考えます。方法としては「家を売却する方法」と「家を解体し土地を売却する方法」があります。
 

家を売却する

1:自宅の価値相場を調べる
まずは自宅がどれくらいの価格で売れるのか、大まかな価値相場を調べておきましょう。
国土交通省の運営する「土地総合情報システム」というWebサイトを利用すると、自宅と近い住所の家の販売価格が見られます。またいくつかの不動産会社のホームページを見ると自宅と似た物件がいくらで売りに出されているかを知ることができます。
 
2:買主を探す
自分で買主を探すこともできますが、不動産会社など仲介業者に依頼するのが一般的です。不動産会社なら家を買いたいという人を幅広いネットワークで全国から探してくれるので見つかりやすいのです。できればいくつかの不動産会社に自宅の査定を依頼し、査定額や担当者の対応を鑑みて、納得ができる不動産会社を選びましょう。仲介業者が決まったら、売却のための仲介契約を結びます。
 
3:売却する
家を買いたい人が見つかったら、物件の内覧が行われます。
 
家の売却を仲介業者に依頼した場合、買主側との価格交渉や契約に於ける法律のことなどを全て任せることができて安心です。しかしその分、仲介手数料はかかります。仲介手数料は売却した物件価格の3%+6万円が上限と決まっています。
もし親戚や知り合いなどで家を買いたい人がいるなど、自分で買主を見つけられる場合は仲介手数料が不要な個人売買を行うこともできます。しかし不動産売買には法律や専門的な知識が必要となります。買主側とのトラブルなど、不安であれば不動産会社に任せるのが良いでしょう。
 

家を解体する方法

家を解体し、更地にして土地を売却する場合、家の解体工事費用が必要になります。かかる費用は家の大きさや構造によって変わります。一坪あたりの単価としては木造で25,000~40,000円程、鉄骨で35,000~60,000円程、RC構造で45,000~80,000円程が一般的な相場となっています。
また、解体によって出た廃棄物の処理費用は1立方メートルあたりの単価が15,000~40,000円が相場です。
見落としがちですが、解体後の整地にも費用がかかります。1坪あたり1,500円前後が一般的な相場です。
これら以外にも解体工事業者によってはガス管や水道管の撤去費用が別途かかるところもあるようです。依頼する前に確認しておきましょう。

 

家じまいはいつするのがいい?

悩む親子

賃貸物件を契約する際、賃借人が65歳以上だと家賃の支払い能力についてや身元保証人の有無を懸念されたり、また一人住まいの場合は孤独死の心配もあることから契約が難しいことがあります。そのため、家じまいをするならば早めのほうがいいでしょう。
しかし高齢化社会に対応すべく、高齢者向けの物件も確実に増えてきています。将来的には今よりも選択肢が広がるのではないでしょうか。

 

家じまいの注意点は?どこに相談すればいい?

家、お金、はてな

家じまいを行う中で相談したいことも出てくると思います。予め注意しておくことや、どこに相談すれはいいのかをご紹介します。
 

注意点

・ 高齢になるほど、医療機関にかかることが増えると予想されます。アクセスが良く安心・安全な環境を選ぶようにしましょう。
・子供家族や親戚が行き来しやすい場所を選ぶと安心です。しかし田舎への移住など、これが難しい場合には地域コミュニティが充実しているところや医療・介護サービスが受けやすいところを選びましょう。
・家の売却、解体には手数料や各種費用、税金がかかります。家の大きさや立地などによっても変わりますが、利益の5~10%程は費用として必要になると考えておきましょう。
 

相談先

一般社団法人で家じまいのサポートを行っているところもありますし、不動産会社で相談を受け付けているところもあります。また遺品整理業者では生前整理や家じまいなど一連の終活相談に乗ってくれるところがあります。
困ったことがあれば問い合わせてみましょう。

 

まとめ

所有する家屋がある場合には終活の一環として「家じまい」についても検討する必要があるでしょう。少子高齢化や核家族化、加えて老後2,000万円問題などを考えても自分自身や家族にとって最善の方法を選びたいですね。こちらのコラムを参考にお役立ていただければ幸いです。

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